Back To The Past
よしなしごとども 書きつくるなり
機嫌のいい犬
川上弘美(集英社)
筆者初の句集。俳句220句が収められている。
小説ではなくても、やっぱり川上氏は川上氏なのだなぁと妙に納得させられた。
たとえばこんな句。
「マーブルチョコ 舐めて色とる日永かな」
彼女らしい、彼女にしか作れない一句だと思った。
しかしながら、俳句としての出来はどうよ? と問われれば、非常に言いづらいが素人の域を出ていないものが多数あったように思う。
愉快だけど、しゃれてるけど、ただのつぶやきと言えば言えなくも無い……人には薦めづらい一冊。
60点
筆者初の句集。俳句220句が収められている。
小説ではなくても、やっぱり川上氏は川上氏なのだなぁと妙に納得させられた。
たとえばこんな句。
「マーブルチョコ 舐めて色とる日永かな」
彼女らしい、彼女にしか作れない一句だと思った。
しかしながら、俳句としての出来はどうよ? と問われれば、非常に言いづらいが素人の域を出ていないものが多数あったように思う。
愉快だけど、しゃれてるけど、ただのつぶやきと言えば言えなくも無い……人には薦めづらい一冊。
60点
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キッドナップ・ツアー
角田光代(新潮社)
夏休みの始まった日。小学5年生のハルは、実の父親に誘拐され、一緒に旅することになった。かっこ悪くて、段取りも悪いおとうさんとの旅は、苦しくて楽しい旅だった……。
とても感想が書きづらい。なぜなら解説者の重松清氏が、この作品の光る部分を、さらに磨きをかけて書いてしまっているからである。さすがは作家である。
で、私が感じた印象をひとつだけ書くなら。
きっとこの父親が実際にいたとしたら、ごく普通のおじさんなような気がする。でも子供の目から見るとイケてなくて、とても素直にはなれなくて、でも憎めなくて。それはありがちな話で、あまり心に残る話ではないと思った。
55点
夏休みの始まった日。小学5年生のハルは、実の父親に誘拐され、一緒に旅することになった。かっこ悪くて、段取りも悪いおとうさんとの旅は、苦しくて楽しい旅だった……。
とても感想が書きづらい。なぜなら解説者の重松清氏が、この作品の光る部分を、さらに磨きをかけて書いてしまっているからである。さすがは作家である。
で、私が感じた印象をひとつだけ書くなら。
きっとこの父親が実際にいたとしたら、ごく普通のおじさんなような気がする。でも子供の目から見るとイケてなくて、とても素直にはなれなくて、でも憎めなくて。それはありがちな話で、あまり心に残る話ではないと思った。
55点
冷静と情熱のあいだ Blu
辻仁成(角川書店)
美術絵画の修復士の順正。彼には忘れられない約束があった。八年前に別れた恋人あおいとの再会の約束。
恋愛小説のサンプルのような小説である。男性には図抜けた才能があり、女性は儚げに美しく、そして舞台はフィレンツェ・ミラノ・東京。
よくまあ臆面もなく、と思う。しかし、作者の筆力が題材の陳腐さを上回っているようだ。
登場人物の誰にも感情移入できないし、展開も予想通り。それでも読後感が不快でないのは、あおいの愛され具合に多少は心惹かれるからか。
65点
美術絵画の修復士の順正。彼には忘れられない約束があった。八年前に別れた恋人あおいとの再会の約束。
恋愛小説のサンプルのような小説である。男性には図抜けた才能があり、女性は儚げに美しく、そして舞台はフィレンツェ・ミラノ・東京。
よくまあ臆面もなく、と思う。しかし、作者の筆力が題材の陳腐さを上回っているようだ。
登場人物の誰にも感情移入できないし、展開も予想通り。それでも読後感が不快でないのは、あおいの愛され具合に多少は心惹かれるからか。
65点
海峡の光
辻仁成(新潮社)
刑務所の看守をする男。彼のもとに、昔手酷くいじめられた同級生が入所してくる。
まず感じたのは、文章の緻密さ。トランプで作るタワーのように、一枚たりとも無駄な「カード」がない。
主人公の一人称の文章なので、謎が多い。彼以外の登場人物の心中は想像するしかない。だが、その「不可解さ」こそが、この作品の主題なのかもしれないと思った。他人の心にある闇は、到底覗き見ることはできないのである。
80点
刑務所の看守をする男。彼のもとに、昔手酷くいじめられた同級生が入所してくる。
まず感じたのは、文章の緻密さ。トランプで作るタワーのように、一枚たりとも無駄な「カード」がない。
主人公の一人称の文章なので、謎が多い。彼以外の登場人物の心中は想像するしかない。だが、その「不可解さ」こそが、この作品の主題なのかもしれないと思った。他人の心にある闇は、到底覗き見ることはできないのである。
80点
まどろむ夜のUFO
角田光代(幻冬舎)
一人暮しの「私」の部屋に、夏休み中の弟がやってくる。弟は東京にいる彼女に会いに来たと言うが、どうも様子がおかしい。
タイトルはいけ好かない感じがしたが、内容は気に入った。若い作者だが、会話や比喩に浮ついた感じがなくて好感度大。「……ぽてぽてとジュース売り場まで歩いていく」なんて表現も私好み。
登場人物はみんな少しづつ変で、唯一マトモなのかと思った「私」も、いきなり「……私は恭一と寝た」。そこだけが生々しくて、全然ストーリーにそぐわない感じがした。
75点
一人暮しの「私」の部屋に、夏休み中の弟がやってくる。弟は東京にいる彼女に会いに来たと言うが、どうも様子がおかしい。
タイトルはいけ好かない感じがしたが、内容は気に入った。若い作者だが、会話や比喩に浮ついた感じがなくて好感度大。「……ぽてぽてとジュース売り場まで歩いていく」なんて表現も私好み。
登場人物はみんな少しづつ変で、唯一マトモなのかと思った「私」も、いきなり「……私は恭一と寝た」。そこだけが生々しくて、全然ストーリーにそぐわない感じがした。
75点
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