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よしなしごとども 書きつくるなり
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今村夏子(筑摩書房)

おそらく発達障害と思われるあみ子の、小、中学時代の物語。
ずっと心がざわざわして、読み終えたあとも呆然。だって、これは、いったい、作者は何を言いたいのか?

あみ子は場の空気なんてまったく読まず、言いたいことを言い、したいことをする。
好きな男の子にはしつこく絡むし、授業中でも鼻歌を歌う。

親だったら、なんとか「普通」に近づけようと厳しく接するかもしれない。
兄だったら、やはり存在を隠したいと思うかもしれない。
同級生だったら、あえて関りを持とうとは思わないと思う。
……と、自分の暗部が透けて見えるから読んでいて苦しかったのかも。

あみ子は自由でのびやかだけれど、反面孤独で誰からも理解を得られない。
その苦しみもまた、私の気持ちを苛んだのでしょう。
なんか、とにかくつらい。
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金曜日に会社を休んで、ちょっとした手術を受けました。
詳しくは書けないのでお察しください。
それが、ちょっとした、のはずがたいした手術となってしまい、時間もかなりかかり、待合室で薬の調剤を待っていたら貧血を起こして処置室送りとなり、見に来た医師に「今夜は痛いよー。一泊したほうが良いと思うけど」と勧められて「はい……」と予定外の入院をしました。
土曜日には帰宅できたものの、疲労困憊で今日も会社を休んでしまいました。とほほ。

今週末には5人組に会いにゆかねばならぬのに、どうしてくれよう。
いや、這ってでも行く。


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今邑彩(東京創元社)

 薔薇の咲き乱れる、広大な屋敷に住む苑田。彼と偶然知り合った花梨は、やがて親しくなり、後妻として屋敷に住まうことになる。
 苑田は最初の妻、二番目の妻、ともに自殺で失っており、花梨も脅迫めいた手紙をもらうようになる。彼女に憎しみを抱く脅迫者は、一体誰なのか。

 初めて読んだ作家にもかかわらず、なぜか既読感があった。あまりひねりのない構成のせいだろうか。だが物語は丁寧に書かれていて、読みやすいことこの上ない。
 謎解きに頭を使うより、花梨の心象風景に思いを巡らせたほうが、この作品にとってベターだと思う。
70点
井上夢人(講談社)

 「岡嶋二人」という作家は、その名の通り「イズミ」と「徳さん」の二人だった。彼らはひょんなことから「乱歩賞を取ろう」ということになって、小説を書き始める。
 ずぶの素人が、手探りで作品を書き上げ、四度目の挑戦で受賞する。このへんのプロセスはけっこう面白かった。推理小説の作法は、かなり参考になると思う。
 ところで、このエッセイは「イズミ」(井上夢人)が一人で書いたものだ。前半は読んでいて楽しかったが、後半は筆者の、いわゆる愚痴がちょっとうっとうしかった。作家だからって、ここまで書くか? と思ってしまった。
 しかしながら、ナントカ賞を受賞すると、みんな彼らのように締め切りに忙殺されるようになるのだろうか。機関銃のように小説が書けないと、編集者たちに潰されそうである。
70点
井上靖(新潮社)

 登山仲間の小坂と魚津。二人が穂高に登山したとき小坂のザイルが切れて、彼は死んでしまう。
 人妻を愛して苦しんでいた小坂。彼の死は事故か自殺か。

 私は登山というものに全く興味がない。そんな私でさえこの作品には心動かされた。
 山に闘いを挑むものたちの考え方、ひいては生き方に、素直に感動できた。
 ただ、そうは言っても終盤の展開には違和感が残った。こんな悲しい結末にしなくても良かったのではないだろうか。
80点
井上直久(講談社)

 いやぁ探した探した。ネット上の本屋に注文すること二回、でもいずれも在庫なし。そうなると余計読みたい! それで、ダメもとで地元の図書館に行ったら、あったんですね、これが。
 何とも不思議な絵本。夢の中で見たような、あるいは異次元のような世界。はたまた、いろんな問題が解決して、良いほうへ転がった未来、のような。
 私が好きなのは16ページの絵。こういう、ただキレイなだけじゃない絵は、私好み。
75点
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