忍者ブログ
ADMINWRITE
よしなしごとども 書きつくるなり
[1]  [2]  [3
北大路公子(集英社)

父親が急逝してお墓を用意しなければならなくなったキミコ氏。しかしコロナ禍も相まってなかなか物事が進まず……。

Twitterで毎日お会いしているので、(勝手に)身近に感じているキミコ氏。
そちらの内容が、この本によって肉付けされて、さらに味わい深いものになった。

近所の室外機が自宅のほうを向いていて非常にうるさい話とか。ハウスメーカーの無責任さにこっちまで腹が立った。
はなちゃん(元保護猫)を飼い始めた顛末とか。
こんなに人懐こくてかわいくて、後ばっかりついてくる猫がいるんだ、そりゃあメロメロになるわ、と思わされた。

肝心のお墓の話も、とても面白かった。面白がってはいけないのかもしれないが。
抽選制の墓地の売り出しに当選してしまって呆然とする様とか。
当選したら建立期限までにお墓を建てないといけないので、うれしさと困惑が入り混じってしまうキミコ氏。
分かるような、分からないような、読んでいるほうもそんな感じである。

しかし人間とはなんて面倒くさい生き物なのか。
私も亡くなったお父様と同じく、骨は道でもまいて欲しい派だが、そうはいかないのである。
葬式も戒名も要らないが、そうはいかない……いや、いくか。
とにかくいろいろと考えさせられるエッセイであった。
90点

PR
北大路公子(集英社)

担当編集者に連れ出されて、筆者がいやいやあちこちを巡る旅エッセイ。

Twitterで知った北大路さん、さすがに面白い。
北海道ではアルパカとふれあい(年を取ると、アルパカの毛は社長室の絨毯から古いバスタオルになるらしい)。
山梨では富士山を拝めず(本当は存在しないのでは? 山梨県と静岡県の壮大な嘘では? 富士は鈍角だと言った太宰もグルでは? と疑いを深めたり)。
とにかく行くさきざきで面白かった。

今後も飲みすぎには注意(温泉宿で、よく朝っぱらからビールを飲んでいた)して、楽しくつぶやいてほしいものである。
90点

岸本佐知子(筑摩書房)

 エッセイ集。
 『気になる部分』もだいぶ気に入ったが、これも甲乙つけがたい面白さ。
 巻頭を飾るのは『才能』。レジで一番遅い列に並んだ人が優勝する競技があったら、きっと自分が優勝すると筆者は言う。
 レジでの攻防が、微に入り細を穿ち描写されていて、そうそうそう! と激しく同意しながら読んだ。私の場合、おまけに「さっきまで込んでいたレジが、気付くと自分の後ろには誰もいない」競技でも優勝する自信がある。
 他にオススメとしては、ちょっとおしゃれ気分(!)でアロマに手を出したらこうなった、の『素敵なアロマ生活』とか。
 「め」と「ぬ」は似すぎではあるまいか? といろいろなひらがなに思いを馳せた『やぼう』とか。
 思わずにやり、ではなく本気で笑ってしまう一冊である。
95点
 
岸本佐知子(白水社)

 エッセイ集。
 こんなに面白いエッセイの書き手を今まで知らなかったなんて! と悔しさがこみ上げるくらい面白かった。
 中盤にあるただの妄想を書いた部分だけはイマイチだったが、それ以外はとても楽しく読むことができた。ロールシャッハ・テストの絵がどれも骨盤に見える、という一文には本気で噴いた。

 そして白水Uブックス版の巻末だけにあるボーナストラックの「あるようなないような、やっぱりあるような」。川上弘美氏と面識はないけどあるような気がする、という文に共感を覚えた。私も川上氏と酒を飲んだことがある、ような気がしてきた。
85点
貴志祐介(角川書店)

 前評判を聞きつけ、初版本を買った。期待を裏切らない怖さだった。保険金欲しさに子供まで手にかけるって信じがたい……けどそんな事件あったなぁ。
  主人公と殺人鬼の対決シーンは、緊迫感があって読み応え充分。エレベーターの「閉」ボタンは押したらすぐ閉まって欲しい、とつくづく思った。
80点
カレンダー
04 2024/05 06
S M T W T F S
1 3 4
5 6 7 9 10 11
12 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 31
カテゴリー
フリーエリア
最新コメント
[05/09 まきまき]
[05/09 もか]
[05/08 まきまき]
[05/08 ぴーの]
[04/30 まきまき]
プロフィール
HN:
まきまき
性別:
女性
バーコード
ブログ内検索
P R
カウンター
アクセス解析

Designed by 湯月   Material by ウタノツバサ
Copyright c [ Back To The Past ] All Rights Reserved.

忍者ブログ [PR]