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言いまつがい

糸井重里(東京糸井重里事務所)

 そのタイトルどおり、ネットでメールマガジンで投稿された「言いまつがい」を集めたのが本書。

 なんて面白い本なのだろう。内容ももちろんだが、装丁も面白い。表紙の紙はサイズが合ってなく、本のカドが一箇所だけ丸まっていて、活字も曲がっている。作り手の「悪ふざけ」っぷりに苦笑を誘われる。
 私のツボにはまりまくった作品をここに引用したいのはやまやまだが、それはルール違反なのだろう。なので、ぜひとも書店で本書を手に取り、25ページを読んでいただきたい。きっと笑いを堪えきれず、店員に不審の目で見られ、とどのつまり買わずにはいられなくなることでしょう。
90点
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智慧の実を食べよう 学問は驚きだ。

糸井重里(ぴあ)

 超有名サイト「ほぼ日刊イトイ新聞」のイベントとして行われた講演会で、4人の知識人が語った内容をまとめたのが本書。
 私は常々、誰にでも理解できそうな平易な言葉で、難しいことを語れる人こそ、本当に頭が良い人だと思っている。難しい言葉をこねくり回す人は、頭が良いフリをしているだけだとも思っている。
 その認識と、この本の内容は、見事に合致している。4人の、「知識の最先端」の人たちは、分かりやすく、面白く、難しいことを語っている。
 特に第四幕「日本の行方」が興味深かった。日本の歴史を紐解きながら、今後の日本の有りようを提案しているのだが「美しい国を目指そう」という案は、とても素晴らしいと思った。
80点

大河の一滴

五木寛之(幻冬舎)

 私には合わない本だった。
 体調が悪い時すぐ病院に行くのが悪いことのように書かれていた。そこが最も納得できなかった。本が手元にないので(読んですぐ古本屋に売っぱらった。普通そんなことしないんだけど)表現が本文とずれてたらすみません。
 小説はそこそこ面白いと思えるのに、エッセイがこれほど合わないとは……。
10点

扉は閉ざされたまま

石持浅海(祥伝社)

 大学の同窓会をするべく、七人の男女が高級ペンションに集まった。
 メンバーの一人である伏見は、そこで後輩の新山を殺害し部屋に閉じ込めた。他の面々はそうとは気付かず、部屋から出てこない新山を気遣うのだが……。

 いけ好かない作品、というのが読んでいる最中の印象だった。
 知的で洗練された男女の会話はこうです、とでも言いたげな型通りの会話がとにかく鼻に付いた。
 ストーリーも納得できなかった。終盤で犯人の動機が明らかになるのだが、それがありえないくらい弱い。そんな理由で後輩を殺したのだとしたら、今後伏見は何度も殺人を犯さずにはいられないのではないだろうか。
 どんなに素晴らしいトリックがあったとしても(この作品のそれが「素晴らしい」かどうかは置いておいて)、動機が脆弱では三流の価値しかない作品としか言いようがない。
40点

木野塚探偵事務所だ

樋口有介(講談社)

 警視庁(でも経理課)を定年退職した木野塚氏は、私立探偵事務所を開設した。
 彼は残りの人生を思いっきりハードボイルドに生きてゆくつもりであったが、思惑どおりにはいかず……。

 これは愉快だ。小心で思い込みが激しくて冴えない木野塚氏は、愛すべき日本のオヤジそのものである。
 多くのたわ言を開陳してくれるが、不思議と憎めない。有能(?)な秘書の桃世とのやりとりもまた笑わせてくれる。
 ただ、桃世の正体が「ありがち」で、ちと残念だった。
75点

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