宮本輝(新潮社)
いろんな内容がぎっしり詰まった、幕の内弁当みたいな小説。まず、往復書簡による文章(これがとても効果的に主人公二人の心情を吐露させている)。他には思い付くままに挙げると、無理心中、十数年後の再会、障害を持つ子供、モーツアルトの流れる喫茶店、スーパーの女店員……。
何についてここに書くのが適当であろうか? 二人の主人公の愛について? 無理心中を図った女性の業について?
これは柄じゃないので、いつものでたらめ書評的に話を進めると……主人公亜紀の父親の告白部分が良い。「好きな女がおるんや」……男はいくつになっても美しい女性に弱いらしい。全体的に悲しいトーンのこの小説のなかで、数少ない心和むシーンである。
85点
いろんな内容がぎっしり詰まった、幕の内弁当みたいな小説。まず、往復書簡による文章(これがとても効果的に主人公二人の心情を吐露させている)。他には思い付くままに挙げると、無理心中、十数年後の再会、障害を持つ子供、モーツアルトの流れる喫茶店、スーパーの女店員……。
何についてここに書くのが適当であろうか? 二人の主人公の愛について? 無理心中を図った女性の業について?
これは柄じゃないので、いつものでたらめ書評的に話を進めると……主人公亜紀の父親の告白部分が良い。「好きな女がおるんや」……男はいくつになっても美しい女性に弱いらしい。全体的に悲しいトーンのこの小説のなかで、数少ない心和むシーンである。
85点
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