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よしなしごとども 書きつくるなり
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ラファエル・サンチェス・フェルロシオ(未知谷)

 個性的な少年、アルファンウイ。彼は学校を追い出されて、剥製術の親方のところへ見習いに行くことになる……。

 NHK BSの「週刊ブックレビュー」で薦められていたので読んでみたのだが、これは難解だった。
 文章は、比喩なのか見たままを描写してるのか常に判然とせず、幻想の世界をさまよう。それを何とか頭の中で想像してみるものの、AのようなBの周りにCの色をしたD??? 意味不明が折り重なって、ひしめきあって、次第に字面だけを追いかけている自分が、いた。
 訳者はあとがきで、その色彩感覚をほめそやしているが、素人の私からしたら色彩のダダ漏れにしか思えず、カバーのスズキコージ氏の絵でさえ目を逸らしたくなるほどであった。
20点
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N・アズリン、R・フォックス(主婦の友社)

 子供のトイレ・トレーニングといえば、とにかく気長にやるしかない、という常識を覆すのが本書である。
 しかも長い間試行錯誤してもおむつが取れなかった子でも、この本にある方法なら一日で取れるという、まさに夢のような内容。

 しかしながら、この方法を実践する「その日」は、けっこう大変だと思う。母親と子供はふたりきりで、外出もせず、電話も出ないでトレーニングに専念する必要がある。
 その方法は、こと細かいルールがあって、セリフから与える食べ物まで、とても覚えきれないほどだ。
 私は実践しなかったので成果の程は不明だが、ちょっとした「コツ」も載っているので、その部分だけでも悩めるママさんには為になると思う。
60点
ジェフリー・ディーヴァー(文藝春秋社)

 自らを「ウォッチメイカー」と呼ぶ連続殺人犯が現れる。惨殺死体のそばには古い時計が置かれていた。四肢麻痺の天才科学捜査官ライムは、刑事アメリア・サックスらとともに犯人と熾烈な頭脳戦を展開する。時計を十個購入したというウォッチメイカー。その犯行を食い止めることができるのか?

 事件はこれでほぼ解決? となってからの二転三転ぶりがすさまじい。このドンデン返しの妙を体験したら、そんじょそこらのドンデン返しでは満足できなくなりそうだ。
 ストーリーの面白さもさることながら、登場人物たちの造形が巧い。ひねくれもののライム。強くて優しいサックス。もう一人、尋問のエキスパートであるダンスは沈着冷静、興味深い知識を次々に開陳してくれる。

 二段組506ページという長編だが、その長さを感じさせない素晴らしい一冊だった。
95点
アガサ・クリスティ(早川書房)

 物語の語り手である兄と、その妹、この二人が本当に生き生きと描かれている作品。筋自体は目新しさのない、平凡な印象の作品だが、兄の恋物語、田舎町の鬱陶しい人間関係などが、読ませる。

 ひとつ気になったところは、妹がそばかすが出来たと嘆くシーン。「……そばかすって、何やら強情でしみったれみたいに見えて、いやね」。
 がーん。私もあるんです、そばかす。そういうイメージなんだ……ちょっと凹んだ。
75点
ヘンリイ・スレッサー(早川書房)

 テレビ「ヒッチコック劇場」でドラマ化された短編の中から、ヒッチコック自身が選んだ17個の作品が収められている。

 面白かったのは「恐ろしい電話」。
 昔、電話は一本の回線を、何家族か共同で使っていた。受話器を上げれば、他人が話している内容を聞くこともできた。
 あるとき、妻の具合が悪くなり電話を掛けようとした男は、既にふさがっていた回線を空けてくれるように頼むのだが……。
 ラストの盛り上げかたが素晴らしい。映像も、さぞかし怖い作品だったことであろう。

 それから「親切なウエイトレス」。
 とあるホテルのレストラン。衰弱しきった老婆は、優しいウエイトレスに財産を譲る話をする。ウエイトレスは固辞するが、次第に老婆の死を願うようになり……。
 人間の醜さが存分に描かれている。ひねりの効いたオチもうまい。
80点
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