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よしなしごとども 書きつくるなり
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ヘンリイ・スレッサー(早川書房)

 テレビ「ヒッチコック劇場」でドラマ化された短編の中から、ヒッチコック自身が選んだ17個の作品が収められている。

 面白かったのは「恐ろしい電話」。
 昔、電話は一本の回線を、何家族か共同で使っていた。受話器を上げれば、他人が話している内容を聞くこともできた。
 あるとき、妻の具合が悪くなり電話を掛けようとした男は、既にふさがっていた回線を空けてくれるように頼むのだが……。
 ラストの盛り上げかたが素晴らしい。映像も、さぞかし怖い作品だったことであろう。

 それから「親切なウエイトレス」。
 とあるホテルのレストラン。衰弱しきった老婆は、優しいウエイトレスに財産を譲る話をする。ウエイトレスは固辞するが、次第に老婆の死を願うようになり……。
 人間の醜さが存分に描かれている。ひねりの効いたオチもうまい。
80点
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