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よしなしごとども 書きつくるなり
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ロバード・K・レスラー、トム・シャットマン(早川書房)

 FBIの元捜査官が書いた本。この本の出版や映画「羊たちの沈黙」で、「プロファイリング」という言葉が一般的になったのではないだろうか。

 連続殺人犯とのやりとりは、まさに小説より奇なり。罪の意識が無い、後悔しない、だから再犯を繰り返す。日本は終身刑がないから、こういうモンスターが社会に戻ってくる危険性がある。そう考えると背筋が寒くなる。
70点
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カレル・チャペック(中央公論新社)

 園芸家の生態を各月ごとにつまびらかにした一冊。
 うまくいくたびに助長され、しくじるたびに鞭打たれ、どんどん高まる園芸熱(分かる分かる)。その熱に浮かされた園芸家の悲哀が、面白おかしく描かれている。

 水遣りのときのホースとの格闘。跳ね上がる、巻き付く、こっちはびしょびしょだが、庭にはまだ乾いた地割れが。
 雑草との格闘。「りっぱな芝生が欲しいと思ったら、いっそのこと雑草の種をまくべきかもしれぬ」。
 また、ほんとうの園芸家を見分ける方法も載っている。その庭に招待されたとき、まず尻が見えるのだ。ちょっと植え替えをしてるから、ちょっと土を柔らかくしてやらなくちゃ、ああ雑草がある……といつまでも尻が見えてたら、彼は園芸家なのだという。

 万人にウケるかどうかは分からないが、私にはウケまくった一冊だった。
80点
トンケ・ドラフト(岩波書店)

 16歳のティウリは、騎士叙任式の前夜、礼拝堂で寝ずに過ごしていた。
 そのとき、彼は見知らぬ男にあることを依頼される。遠く離れた隣国の王へ手紙を渡すこと。ティウリの長い冒険がここに始まりを告げた……。

 この作品、オランダにおいて過去50年間に出版された児童書の中で、もっとも優れた作品に選ばれたそうである。
 なるほど内容は勧善懲悪で教育上好都合であろうし、何より単純に面白かった。
 山越え谷越え川も越え、ティウリの遭遇する苦難に、読んでいるほうもハラハラし通しだった。
 また大自然の雄大さ、美しさも存分に表現され、加えて男同士の熱い友情もありで、長い話ではあるが飽きずに読むことができた。
 主人公は16歳。大人はもちろん、その年頃の子が読んだらとても楽しめる作品ではないだろうか。
80点
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