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よしなしごとども 書きつくるなり
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安井俊夫(メディアファクトリー)

 一級建築士でもある筆者が、10編のミステリー小説に登場する建物を解析、図面化した労作。
 森博嗣氏の『笑わない数学者』の検証が面白かった。
 天文台を住宅に改造したという「三ツ星館」。お椀を三つふせたようなこの館、資産価値は数十億だという。
 だが明らかに建築基準法違反! 画竜点睛を欠くとはこのことか。
 この作品に限らず、場所の特定、建築コストの設定(不便な場所なら経費がかさむ)、古い建物なら時代考証までしているところがさすがというか、考え抜かれていると思った。

※筆者である安井俊夫氏は、ネット上で長年お付き合いいただいている建築士さんです。
 それとは関係なく、楽しんで読むことが出来た一冊でした。
 ただ点数をつけるのはあまりにおこがましいので控えさせていただきます。
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安岡章太郎(新潮社)

 安岡氏の母方の親族について、系図に基づいて語った随筆。
 筆者が生まれたのが大正9年、そこから父母、祖父母、曽祖父母と遡る話なので、歴史に疎い私にはけっこうつらい読書となった。
 だが筆者が注目した西山麓という漢詩人についての記述は、面白く読むことができた。貧しく怠惰だった麓(ふもと)。遊郭上がりの女性と一緒に暮らしたり、乞食になると決心したり、破天荒な人物だったらしい。
 だが彼の奇行を、安岡氏はあたたかい眼差しで描き出す。彼の漢詩に風流を感じ取り、その才能を認めて賛辞を送るのだった。
60点
柳田邦男(文藝春秋社)

 中学生の頃から心を病んでいた息子が、二十五歳で自殺を図って脳死状態となる。父親の後悔は、察するに余りある。心の病も長い間気付いてあげられず、自殺も止められなかった。
 そして脳死状態となったとき「臓器提供」の決心を迫られる。しかも奥さんはずっと半病人のようになっていて、もうこれでもかってくらい過酷な人生。それでも作者は淡々と筆を進めていく。
 きっと作者はいろいろなことに決着をつけて、この作品を執筆したのだろう。その、ある種の潔い感じに感銘を受けた。
80点
柳家三治(講談社)

 噺家である柳家小三治。小三治は「枕」のほうが面白いってんで出来たのが、この本である。
 枕というのは、落語の本題に入る前に話す、いわばイントロのようなもの。それにしては話が長すぎのようだが、面白ければ問題は無い。

 特に笑えたのが「駐車場物語」。
 彼がオートバイ用に借りていた駐車場に、あるときホームレスの男が住み着いた。男はきれい好きらしく、駐車場にある水道を使っては洗濯をし、箒で駐車場内を掃いたりもする。そんな男に立ち退きを要求することもままならず、ずるずると月日は流れ……。
 ホームレスなのに(?)楽しそうに、礼儀正しく生きる男に振り回される師匠の言動が笑わせてくれる。
 その他、日本の塩がまずいという話や、サンフランシスコの英語学校に留学する話など、さすがに噺家さんは上手いなぁと唸ってしまうような話が盛りだくさんである。
75点
山川健一(アメーバブックス)

 ヘミシンクという音響技術によって、筆者は非日常的な意識へと導かれる。そこで筆者がみたのは、死後の世界か? ただの幻想か?
 70年代に特許を取得したというヘミシンクという技術。それは左右の耳から異なった周波数の音を聞かせると、二つの周波数を調和させようとして、脳が第三の幻の音を作り出すことを利用した技術である。
 ヘミシンクによって、人は死後の世界をみたり、過去や未来に行けたり、自分のガイド(守護霊のようなもの)に会えたりするらしい。
 しかし、だ。筆者が体外離脱してみた景色は、現実のそれとは違っていたという。……ちょっとアヤシイ。
 また、ヘミシンクのCDは、アクアヴィジョ○・○カデミーという会社が販売しているらしいが、とてもたくさんの種類があり、高価だ。……やはりアヤシイ。

 幼い頃は「ノストラダムスの大予言」でかなりの恐怖を味わい、今また「マヤ暦が2012年で終わっている」という新たな地球滅亡説を聞き、正直うんざりしている。しかしこの本によれば、死=無ではないらしいので、2012年に何が起ころうとも恐るるに足らず。そこだけ覚えておこうと思った。
45点
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