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よしなしごとども 書きつくるなり
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中島らも(講談社)

 アル中の主人公が肝硬変で入院するという話。患者たちはヘンな人ばっかりで笑える。でいろいろ笑わせておいて、最後に命について考えさせられる事件が起こる。
 崖っぷちで踏みとどまって生き長らえる人間、潮が引くように、しかも前触れもなく死んでいく人間。その差は何なのだろうか。生命力?この作品を読むと、そればかりではないように思えてくる。もっと抗いがたい、何らかの「力」が作用している気がする。
70点
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中野京子(文藝春秋社)

 映画の紹介エッセイ。
 私が見たものは二割にも満たないくらいだったが、だからこそ今後の楽しみが増えたとも言える。
 大いに共感したのは『誰も知らない』。少年が最悪の境遇で孤軍奮闘するさまは、本当に美しくて悲しくて、泣けて泣けてしょうがなかった。
 逆に「?」だったのは『シカゴ』。筆者はダンスを貶し、主要人物の悪党ぶりに辟易しているようだが、私はこの映画が好きだ。一流になろうとしている人間は、これくらいの汚さとガッツがあっても良いと思う。
70点
中野翠(文藝春秋社)

 書評のコラム集。を読んで書評を書くというのもどうかと思うが……ま、いいか。
 こういうのを読むと、褒めコトバより貶しコトバのほうが、断然おもしろいことに今更ながら気付く。でもそれは私の性格が悪いだけかもしれませんが。

 いろんな本のいろんな引用文があるが、特に気に入ったものをここにさらに引用したい。斎藤緑雨の「緑雨警語」より。「それがどうした。ただこの一句に、大方の議論は果てぬべきものなり。政治といわず文学と言わず」
60点
中村文則(新潮社)

 27歳の「私」は、タクシーの運転手。毎日を持て余し、幼い頃の被虐体験を思い出しては、そこにどんな意味があったのかを探ろうとするのだが……。

 独り言を言ったり、現実と妄想の区別が出来なかったり、主人公はかなり危ない状態にあるようだ。読み進むにつれ、彼の狂気にじわじわと絡め取られるような気がしてきて、読むのを投げ出したくなるほどだった。
 主人公の心に平穏が訪れないまま、物語は終盤へと流れていく。しかしラストシーンで彼がつぶやく言葉……「親はいません。今の僕には、もう、関係ないんです」……には、一筋の光明を見た気がした。後ろばかり見ていても仕方がない、前進するしかない、という彼の決心を感じた。
55点
中山可穂(集英社)

 とある小劇団の主宰者にして同性愛者のミチル。
 主演女優に逃げられ、昔の「男」も彼女を裏切ろうとしている。そんななか、公演の初日が訪れて……。

 とことん利己主義のミチル、彼女に振り回される男と女。こんなに「何様?」な女も珍しいと思う。
 だいたい同性愛や潰れそうな小劇団って、私が最も興味の無い分野(?)なのである。特に同性愛の部分は、ミチルがあまりにもインランで頭悪そうで、引きまくってしまった。
 極め付きはミチルが金持ちの老婆と一晩を過ごす場面。悪趣味としか言いようがない。
 いくらブンガク的文章でカムフラージュしても、低俗は低俗なのである。
30点
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