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台所太平記

ショート動画をあげました。 こちらです
この日は貸し切りの予約がこのあと入っていたようで、お店側がなんだかバタバタしてました。
14時半まで、と予約時に言われてましたが、行ってみたら14時まで、と言われ。
またゆっくり訪れたいかも。
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何かでおすすめされててずっと読みたいと思っていた↑の本。
図書館ならあるかも、と思って検索したら谷崎潤一郎全集に収録されていることがわかって通いましたとも。
3回に分けて読みました。
いやー面白かった。

昭和30年代。磊吉、讃子夫妻が雇った女中たちのおはなし。
熱海、京都に居を構えて、次々にお手伝いさんを雇う生活、当時は珍しくなかったのかな。
いや上流階級の話だよね。

女中たちは個性いろいろで、料理上手だったり、達筆だったり、目の覚めるような美人だったり。
同性愛者や癇癪持ちも。
彼女たちが巻き起こす事件が丁寧に描写されていて、飽きずに読むことができました。

まだそこまで豊かじゃなかった日本が背景にあって、でも貧しくてもいきいきと生きた女性たちがいて、情緒のある時代だったのかなーなんて思いました。
たとえば谷崎と同じくらい才能がある人がいたとしても、今の日本ではこんな物語は生まれようもないよね。
何か大きなものを失ったような気がするっす。

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十二神将変

塚本邦雄(河出書房新社)

最初にあらすじを書くと決めているが、これは無理。
読了はしたものの、未だ頭の中がこんがらがっている。
言葉が私には難しすぎた……鰯の裂膾を肴に手酌でかれこれ小一時間、飾磨家の晩餐は終らうとしてゐるのに……この出だしだけで諦めるべきだった。
1974年に刊行されたそうだが、だったら旧仮名遣いではなく普通でよかったのでは? という疑問が消えなかった。

これから挑戦しようとしているかたにひとつアドバイス(クソバイス?)するなら、表題にある十二神将について説明されている箇所があるが、そこは流しても大丈夫。
これ、理解して覚えないとまずい? と思って栞をはさんでおいたが、ストーリー上さして重要ではない、はず。
もちろん理解していたほうが深く味わえるのであろうが面倒すぎた。

この作品の本題は流麗な言葉遊びを楽しむところにあるようだ。殺人事件の謎解きという側面もあるのだが、犯人が脇役くさくてちょっと興ざめだった。
思わせぶり、かつ最後まで謎のままな部分も多く、純粋にミステリーを楽しむ作品ではない。
30点

山を走る女

津島佑子(講談社)

多喜子は21歳でシングルマザーとなる。両親には蔑まれ、誰にも祝福されない出産であった。しかし彼女はたくましく子育てをしていく。三沢ガーデンという植物を扱う店で働き始める多喜子。そこには障害児の父親であるという神林という男性がいた……。

多喜子の生まれが自分と近いためか、時代の空気感のようなものに、まず興味をそそられた。冷房などあまりない暑い夏、愛想の無い看護婦。昔はこうだったという感慨がわいた。

そして本題、多喜子の生き方は刹那的すぎてあまり共感できなかった。特に妻帯者である神林に好意を抱くくだり。ただ彼とゆっくり話をしたりしたいだけ、とたびたび思っていた彼女だったが、いざ二人きりになるチャンスが巡ってくると、それは簡単に抱いてほしいに変わっていた。結局性欲? と白けてしまった。
ジャズバーのバイト学生とも関係を結んだり、そもそも子どもの父親である男性ともあまり深く考えずにそうなった彼女である。

作品全体に「何か良からぬことが起きそう」な描写が散りばめられていて、読んでいて落ち着かなかった。赤ちゃんがいるのに多喜子もその周りの人々も奔放すぎたせいかもしれない。
90点

橘外男ワンダーランド 怪談・怪奇編

橘外男(中央書院)

 四つの短編と、一つの中篇。短編の中の一つ「蒲団」を紹介しよう。
 時は明治。古着屋の主人が、豪華な蒲団を格安で手に入れる。その途端、家業は傾き、尋常ならぬ女性の影がちらつき始める……。

 表現が直截で、かえって新鮮である。しかも文章はきわめて分かりやすいので、自ずと恐ろしい光景が迫ってくるようである。
 そのほか、「仁王門」では泣き「亡霊怪猫屋敷」では身震いした。
 老婆心ながら最後の「解題」を先に読まないほうが無難である。オチまで書いてあって、興味をそがれる。
80点

一円大王

谷口英久(道出版)

 1円玉で何が買えるか、買えないか。著者が実験してみた見聞録。
 お米を1円分とか、箸袋を1円分とか、そのあたりのエピソードは面白く読むことができた。
 箸袋500個入りで250円。それを1円で2枚買う。領収書も書いてもらう。
 買ってどうする、という疑問はさておき、まぁ売る側もたいした損害(?)はなさそうなので、問題はないだろう。

 でも中には笑えない話もあった。たとえば「落語1円分」。筆者が知り合いの落語家に頼んで41秒間だけ落語を演じてもらったのだ。
 これは読んでいて腹が立った。してはいけないことだと思った。
55点

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