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山を走る女

津島佑子(講談社)

多喜子は21歳でシングルマザーとなる。両親には蔑まれ、誰にも祝福されない出産であった。しかし彼女はたくましく子育てをしていく。三沢ガーデンという植物を扱う店で働き始める多喜子。そこには障害児の父親であるという神林という男性がいた……。

多喜子の生まれが自分と近いためか、時代の空気感のようなものに、まず興味をそそられた。冷房などあまりない暑い夏、愛想の無い看護婦。昔はこうだったという感慨がわいた。

そして本題、多喜子の生き方は刹那的すぎてあまり共感できなかった。特に妻帯者である神林に好意を抱くくだり。ただ彼とゆっくり話をしたりしたいだけ、とたびたび思っていた彼女だったが、いざ二人きりになるチャンスが巡ってくると、それは簡単に抱いてほしいに変わっていた。結局性欲? と白けてしまった。
ジャズバーのバイト学生とも関係を結んだり、そもそも子どもの父親である男性ともあまり深く考えずにそうなった彼女である。

作品全体に「何か良からぬことが起きそう」な描写が散りばめられていて、読んでいて落ち着かなかった。赤ちゃんがいるのに多喜子もその周りの人々も奔放すぎたせいかもしれない。
90点

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