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よしなしごとども 書きつくるなり
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井上夢人(講談社)

 「岡嶋二人」という作家は、その名の通り「イズミ」と「徳さん」の二人だった。彼らはひょんなことから「乱歩賞を取ろう」ということになって、小説を書き始める。
 ずぶの素人が、手探りで作品を書き上げ、四度目の挑戦で受賞する。このへんのプロセスはけっこう面白かった。推理小説の作法は、かなり参考になると思う。
 ところで、このエッセイは「イズミ」(井上夢人)が一人で書いたものだ。前半は読んでいて楽しかったが、後半は筆者の、いわゆる愚痴がちょっとうっとうしかった。作家だからって、ここまで書くか? と思ってしまった。
 しかしながら、ナントカ賞を受賞すると、みんな彼らのように締め切りに忙殺されるようになるのだろうか。機関銃のように小説が書けないと、編集者たちに潰されそうである。
70点
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