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彼女(たち)について私の知ってる二、三の事柄

金井美恵子(朝日新聞社)

 『小春日和』の続編。
 あれから10年経って30歳になった桃子。定職にもつかず、一人でのんびりと暮らし、その強靭さにはさらに磨きがかかったようだ。一方花子は勤めていた会社を辞めて、桃子と同じアパートに引越ししてきた。
 そして二人は……はて。
 と考えてしまうほど、ただ何となく過ぎ去ってゆく日々を描いているだけなのだが、それがいちいち面白いのである。こんな毒にも薬にもならないような話、面白がるのは何だか悔しいのだけれど。
 それから桃子の隣人の岡崎さんが、めっぽう俗っぽくて良い。アパートに一人はいそうな人物である。
80点
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人間動物園

連城三紀彦(双葉社)

 埼玉県のとある街で、一人の幼女が誘拐される。
 被害者の家には、犯人によって事前に盗聴器が仕掛けられていた。言動を見張られる格好になった被害者の母親は、次第に追い詰められてゆく。大雪が降りしきるなか、警察の捜査もまた膠着状態が続き……。

 期待したほどではなかった、というのが正直な感想である。
 まずタイトルに絡めたストーリーの進め方が邪魔くさい。仕草や目つきを動物になぞらえて言う部分が多すぎではないだろうか。
 それから随所に散見される、妙に文学的な表現が鬱陶しい。被害者の母親が、盗聴器のことを「象牙色に青ざめながらもぴくぴく動く」と表現するところなど、興ざめしてしまった。
50点

ゆきずりの唇

連城三紀彦

 実はこの小説は読売新聞の朝刊に連載していた小説なのである。で、先日連載が終了したので居てもたってもいられずUPした。毎日愉しませてもらったのできれいな装丁の本になることを陰ながら願っております。

 娘の婚約者に惹かれて、一度だけ一線を越えてしまう母が主人公。彼女には立派な(社会的には)夫がいるのだが、何でも型にはめたがり、自分を所有物のようにしか考えてない彼に嫌気がさして、離婚覚悟の行動をとる、そして……。
 いざというとき、肝の据わった行動をとるのは存外女性かもしれない。そんなとき男性は……見苦しくうろたえるのが一番良くないと思った。
75点

クール・キャンデー

若竹七海(祥伝社)

 つるつるっと読んでしまった。いまどきの中学生が主人公なら、こういう文章になってしまうのだろう。「うげっ」とか「ジコチュー」とか。同じ話を高村薫が書いたらどうなるか……なんて余計なことを考える必要はないわけで。まぁこういう小説は、それなりに楽しめれば良いのだろう。
 展開はスピーディだし、ラストもぞくっとしたし、いいんでない?
70点

なんとなくな日々

川上弘美(新潮社)

 エッセイ集。
 いつか飽きるのでは……といつも恐る恐る川上氏のエッセイを読むのだが、必ず杞憂に終わる。毎回読むのが楽しくてならない。

 たとえば松茸の話。
 はり切って松茸を買ってきたはいいが、料理の仕方が分からない。一本しかないから、失敗だけは避けたい。どうしたものか?
 うわぁ、川上さんでもそうなの!? 豪快に、焦げることも恐れずに網焼き! ってわけにはいかないのですね。なんて苦笑しながら読んだ。
 たとえばテレビに出演したときの話。
 メイクさんの離れワザに感心しつつも、放映はたいてい見逃すのだという。なんて淡白な。そのあっさり加減にまた苦笑してしまった。
90点

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