芦原すなお(東京創元社)
不思議な能力を持つ小説家の妻。彼女は未解決の事件を、あらましを聞いただけで解決してしまう。
うーん、これは感想を書きづらい。嫌いではないが、設定に無理があるように思える。時代背景は「現代」だが、主人公の夫婦だけが、明治時代の文豪夫婦していて、それがどうにも……。妻が暴くトリックも、古めかしい。
それでもこの作品が醸し出す雰囲気、素直な優しい雰囲気は気に入った。
妻は料理上手という設定で、これが本当に食指を動かされる。カマスを焼いて、すり潰して、ムギ味噌と合わせて、直火であぶる……日本酒を冷やでつけてくれぃ。
70点
不思議な能力を持つ小説家の妻。彼女は未解決の事件を、あらましを聞いただけで解決してしまう。
うーん、これは感想を書きづらい。嫌いではないが、設定に無理があるように思える。時代背景は「現代」だが、主人公の夫婦だけが、明治時代の文豪夫婦していて、それがどうにも……。妻が暴くトリックも、古めかしい。
それでもこの作品が醸し出す雰囲気、素直な優しい雰囲気は気に入った。
妻は料理上手という設定で、これが本当に食指を動かされる。カマスを焼いて、すり潰して、ムギ味噌と合わせて、直火であぶる……日本酒を冷やでつけてくれぃ。
70点
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東野圭吾(集英社)
短編集。
『おっかけバアさん』が面白かった。
夫を亡くし、つましく暮らしていたおばあさん。ところがある役者に入れ揚げるようになり、全てを失ってゆく、というストーリー。
こういうことは年齢に関係なく起こり得ることだと思うが、主人公が歳を取ってる分だけ余計に哀れで、情けなさが倍加する。
オチも凄まじいが、でもおばあさんは本懐を遂げたふうにも取れ、だからこそ「笑って」いたのかもしれない。
65点
短編集。
『おっかけバアさん』が面白かった。
夫を亡くし、つましく暮らしていたおばあさん。ところがある役者に入れ揚げるようになり、全てを失ってゆく、というストーリー。
こういうことは年齢に関係なく起こり得ることだと思うが、主人公が歳を取ってる分だけ余計に哀れで、情けなさが倍加する。
オチも凄まじいが、でもおばあさんは本懐を遂げたふうにも取れ、だからこそ「笑って」いたのかもしれない。
65点
浅田次郎(集英社)
短編集。私は表題作より「うらぼんえ」が好き。
嫁という立場で、四面楚歌で、艱難辛苦してるとき、じいちゃんが助太刀に来てくれる……あの世から。
いくつになっても、たとえ死んでも、孫がかわいいというじいちゃんの慈愛に、敬服。
その他の話も粒ぞろいで甲乙付け難く、泣かされた。
95点
短編集。私は表題作より「うらぼんえ」が好き。
嫁という立場で、四面楚歌で、艱難辛苦してるとき、じいちゃんが助太刀に来てくれる……あの世から。
いくつになっても、たとえ死んでも、孫がかわいいというじいちゃんの慈愛に、敬服。
その他の話も粒ぞろいで甲乙付け難く、泣かされた。
95点
せがわきり・忌野清志郎(TOKYO FM出版)
敬愛する忌野清志郎が、初めて画筆をとった絵本、ということで読んでみた。
しょうくんが森で出会った「ブーア」という生き物。ブーアは、酸性雨や、汚れた池の水によって次第に弱ってゆく……。
娘には分かりづらい内容だったかもしれないが、大人の私は清志郎の絵を楽しんだ。色が溢れていて過剰な感じが、ストーリーに合っていると思った。
また、この本の収益の一部は、富士山などの環境保全活動に役立てられているそうなので、そういう意味においてもオススメの一冊である。
80点
敬愛する忌野清志郎が、初めて画筆をとった絵本、ということで読んでみた。
しょうくんが森で出会った「ブーア」という生き物。ブーアは、酸性雨や、汚れた池の水によって次第に弱ってゆく……。
娘には分かりづらい内容だったかもしれないが、大人の私は清志郎の絵を楽しんだ。色が溢れていて過剰な感じが、ストーリーに合っていると思った。
また、この本の収益の一部は、富士山などの環境保全活動に役立てられているそうなので、そういう意味においてもオススメの一冊である。
80点
東野圭吾(集英社)
十二編の短編集。タイトル通り、毒のある話が多い。
私が気に入ったのは『手作りマダム』。
手作り大好きな主婦が、団地内の主婦を集めて頻繁にティーパーティを催す。
手作りの品々はどれも粗悪なものばかり。だが上司の夫人なので、それを指摘するわけにも行かず……。
本当にありそうな話である。と思ったら、文庫巻末にある京極夏彦氏との対談で「さんざん自分が迷惑した」と書かれていた。
それから「ホームアローンじいさん」の、おのれの欲望に振り回されるじいさん。これも実際いそうな感じである。
70点
十二編の短編集。タイトル通り、毒のある話が多い。
私が気に入ったのは『手作りマダム』。
手作り大好きな主婦が、団地内の主婦を集めて頻繁にティーパーティを催す。
手作りの品々はどれも粗悪なものばかり。だが上司の夫人なので、それを指摘するわけにも行かず……。
本当にありそうな話である。と思ったら、文庫巻末にある京極夏彦氏との対談で「さんざん自分が迷惑した」と書かれていた。
それから「ホームアローンじいさん」の、おのれの欲望に振り回されるじいさん。これも実際いそうな感じである。
70点