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よしなしごとども 書きつくるなり
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川上未映子(講談社)

 学校でひどいいじめに遭っている、中学生の「僕」。やはり同じようにいじめられているコジマという女子生徒から手紙が届く。2人は何度も手紙をやりとりし、たまに2人だけで会うこともあった。やがて「僕」に対するいじめは激しさを増し、「僕」の心は壊れ始めてゆく……。

 コジマはいじめる側の人間について「何も考えてないし、わかっていない。人の痛みなんて考えたこともない」と言う。核心を突いている。
 それが証拠に、「僕」をいじめている百瀬という生徒は、「僕」に言う。
 したいことをやっているだけで、人の気持ちなんて知らない。君が僕だとして、同じことをする? しないし、できないんだよね? 僕はそれができる、ただそれだけのシンプルな話だ。
 こんな、狂った賢い子が、いま増えているのかもしれない。良心に訴えても無駄な彼らに、大人が為すべきことはあるのだろうか。
 もちろんこれは虚構の世界だが……昨今、いじめを警察に訴える事例が増えているという。それも無理からぬことかもしれない。
85点
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先日のピアノのレッスン後のことです。
盛大にため息をつく娘。
どした? と聞くと

同じ曲を、もう1ヵ月も練習しているのに弾けない
先生が一緒に弾くと、途中で自分がつまづいてもどんどん先にいってしまって、意地悪されてる気がする
そもそも何のためにピアノをやっているのか分からない、音大いきたいわけでもあるまいし

で、結局「もう止めたい」
って。
言われた瞬間、頭に血がのぼって
「あのクソみたいな部活は続けて、10年やってきたピアノを止めるってか?」
と言ってしまいました。
すかさず
「そう言うと思った!!」
と激怒する娘。

いかん。アプローチを変えねば。
と思って
楽器ができない私が言うのもアレだが、どうやってもダメって思える瞬間があって、でもそれを乗り越えればぐっと力がつくのでは?

先生の立場になってみよう。家で全然練習をしてこない、下手な生徒に優しく出来る? あなただって学校でダンスが出来ない子に教えたとき、イラっとしたんでしょ?

まぁでも私は無理強いはしない
止めたければ止めるよろし
ただし、大人になったとき、絶対後悔するから

と、切々と訴えてみました。
なんで後悔するのさ? と娘が言うので
「初見でなんとなーく弾けるレベルまでいかないと、ピアノでも弾こうかなってならないらしいよ。つまりこの10年は無駄になるわけ」
「ピアノを弾いて、何になるのさ?」
「あーあ。それがどんなにすばらしいことか、分からないんだ……私なんて何の楽器も弾けないからつまんないよー。ピアノが弾けるってすっごい羨ましい」。

そこまで言ったら「うーん」と考え込んだ娘。
とりあえず、毎日20分(前はそうやってた)練習してみて、それでも次のレッスンで問題の曲が弾けなかったら止める、ということで決着しました。

さて、どうなることやら。

最近、会社に行くのが億劫でなりません。
それは社長の
「資金繰り、どうなってる?」
攻撃のせい。

銀行の引出/預入の予定表を私が作っているのですが、それを毎日毎日「見せて~」と。
そんで
「あぁ、ここで残高不足になっちゃうなぁ。どーしよ。ここの支払、待ってもらうかぁ」
だの
「やっぱり定期預金、取り崩すしかないよね?」
だの、私に言ってくるわけです。

こんなパートのオバサンに相談しないでよ。
根がまじめな私だもの(反論は受け付けておりません)、相談されたら
「うーん、ヤバいわね。会社、大丈夫なんだろか?」
って心配しちゃうのさ。

でもあんまりやりすぎると、今度は「生意気」って、きっと言われるよね。

先日の営業の退職さわぎのときも、社長は
「試用期間(会社規定は3ヶ月)だったんだもの、辞めてもらって問題ないよね?」
って言うから
「試用期間って法的には2週間ですよ」
「え!? そうなの?」
って。
「何だったら懲戒解雇にしようかな」
って言うから
「ハローワークで聞きましたけど、上司の命令を無視するくらいで懲戒解雇は難しいそうです」
「え!? そうなの?」
って。

なーんかさ、イヤな人になってない? 私。
もうもうもう!
WAON!土曜日は、娘の月イチの休日でした。

「ねぇねぇ、秋物を仕入れたいんだよ」
と言う娘。
おまいは何かのバイヤーか、厨房が生意気なんだよ。
と思いつつ、暇だったので某ショッピングセンターへ行きました。

雑誌「ニコラ」に載っていたポンチョが欲しかった娘。
その取り扱い店に行くと、店頭にば~んとソレが飾ってありました。
「あっ、これだよ、これだよ、これ買ってよー」
という娘に、
「そんな目立つ流行物、すぐ着れなくなるよ」
とダメだし。

娘は渋々ふつーの長Tとスカートなどを選び直し、それを買ってあげました。

そのあと、娘から鼻をかむためのティッシュちょうだい、と言われたのですが、たまたま持ってなかったのです。
じゃあってんで、何かの抽選会場へ。
こういうのって、たいていハズレはティッシュでしょ。

というわけで、店員にレシートを差し出すと8回ガラガラを回せることになりました。

そしたら。
特賞 ポケットドルツ(携帯用の歯ブラシ)
2等 ワオンのぬいぐるみ(小)
3等 洗濯洗剤
4等 ゴロ寝用まくら
が当たっちゃったんですわ。

ハズレのティッシュは4つ、あとは全部当たり。
店員さんも驚いて
「すごい強運ですね。特賞は2本しかないんですよ」
って。

うん、なんか、うれしいんだけど、こういうところで運を使ってしまって、やっぱりロトは当たらないんだねぇって思っちゃうんだよね、芯からネガティブなもので。
はははは。
重松清(新潮社)

 短編が連なってゆるやかな長編をかたちづくるお話(文庫版あとがきより)。

 物語の舞台は小学校高学年から中学にかけての学校。そこには鼻持ちならない男子が、優しくて気弱な女子が、八方美人ゆえに疲弊してゆく女子が、ライバルに勝てずに焦る男子が、いた。
 『ふらふら』を紹介しよう。クラスで孤立するのがこわくて、道化を演じる堀田芳美。しかしささいなきっかけで「はじかれ」てしまう。昨日まで、さっきまで友だちだと思っていた女子が、冷たい言葉を投げつける。
 その空気、雰囲気が痛いほどわかるから、私の胸も締め付けられる。

 どの話も何となく経験したような、あるいはいつか見たようなものが多い。その頃の自分の未熟さや自意識過剰っぷりが思い出されて、居てもたってもいられないような気持ちになった。
 そして今、この瞬間も学校で苦しんでいる子はたくさんいるだろう。学校だけがすべてじゃない、なんて言っても気休めにしか聞こえないだろう。そんな子に、この本を最後まで読んで欲しい、と(作者でもないくせに)痛切に願った。
 今日を乗り越えたら明日はくる。明日を乗り越えたらあさってが来る。そうしていつか「戦争」は終わる、はずだから。
85点
 

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