戸田奈津子(集英社)
「字幕 戸田奈津子」この表示に何度胸躍らせたことか。私の一番好きな映画「バック・トゥ・ザ・フューチャー」も彼女の訳である。
この本を読んで知ったが、字幕やさんになるために結構努力されたんですね。気付いた時には第一線で活躍中だったから意外だった。
さて、紹介されている映画のセリフで心に残ったものを紹介しよう。
まず「a heartstopper」。心臓を止める人という意味だが、映画の中では「心臓が止まるほどのイイ女」という使い方。くー、こんなふうに表現されたい。遠慮無く言って欲しい。
次に「Thanks a mill」。これは「Thanks a million」百万べん、ありがとう、という意味。辞書には載ってない。
最後は日本語の「ゴキブリホイホイ」は「roach motel」ゴキブリ・モーテル。笑える。
そんな感じで生きた英語がたくさん載っていて結構楽しめた。
80点
「字幕 戸田奈津子」この表示に何度胸躍らせたことか。私の一番好きな映画「バック・トゥ・ザ・フューチャー」も彼女の訳である。
この本を読んで知ったが、字幕やさんになるために結構努力されたんですね。気付いた時には第一線で活躍中だったから意外だった。
さて、紹介されている映画のセリフで心に残ったものを紹介しよう。
まず「a heartstopper」。心臓を止める人という意味だが、映画の中では「心臓が止まるほどのイイ女」という使い方。くー、こんなふうに表現されたい。遠慮無く言って欲しい。
次に「Thanks a mill」。これは「Thanks a million」百万べん、ありがとう、という意味。辞書には載ってない。
最後は日本語の「ゴキブリホイホイ」は「roach motel」ゴキブリ・モーテル。笑える。
そんな感じで生きた英語がたくさん載っていて結構楽しめた。
80点
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外山滋比古(筑摩書房)
「考えるってなぁに?」を教えてくれる本。
論理ばかりこねくり回してわけが分からない本が多いなか、本書はきっちりと具体例を示していて明快でいい。
試験の前日、まったく関係ない本が目に留まり、ふと読んでしまう、ずんずん読んでしまう。それがきっかけとなって新しい関心の芽が出てくるなら、それも良し、とか。
浮かんだ考えを書きとめておくノートの作り方(図解入りでかなり詳細)、とか。
しかし何といっても本書の読みどころは「文庫本のあとがきにかえて」ではないだろうか。
アメリカ人は言う、日本人は二言目には「I think……」と言うが、そんなに思索的なのか?
これはただ断言するのが苦手な日本人が、文末に「……と思います」と言っているだけだというオチ。では「I think」の核心に迫るにはどうしたらいいのか。答えは本書にある。
70点
「考えるってなぁに?」を教えてくれる本。
論理ばかりこねくり回してわけが分からない本が多いなか、本書はきっちりと具体例を示していて明快でいい。
試験の前日、まったく関係ない本が目に留まり、ふと読んでしまう、ずんずん読んでしまう。それがきっかけとなって新しい関心の芽が出てくるなら、それも良し、とか。
浮かんだ考えを書きとめておくノートの作り方(図解入りでかなり詳細)、とか。
しかし何といっても本書の読みどころは「文庫本のあとがきにかえて」ではないだろうか。
アメリカ人は言う、日本人は二言目には「I think……」と言うが、そんなに思索的なのか?
これはただ断言するのが苦手な日本人が、文末に「……と思います」と言っているだけだというオチ。では「I think」の核心に迫るにはどうしたらいいのか。答えは本書にある。
70点
筒井康隆(文藝春秋社)
短編集。
『犬の沈黙』が面白かった。
ある植物学者のもとへ出版社からインタヴューアーの青年がやってくる。が、彼はほとんど言葉を発しない。応対した学者の娘婿は困惑し、やがて彼を追い出しにかかるが……。
身につまされる話であった。私も弁が立つほうではないので、集団の中では黙っていることが多い。
だが、どうしても自分の意見を言わなければならない場面というのがあるのである。ほとほと困る。困って固まることもしばしばある。
そんな私には、青年が「喋らなくて済むモノ」になって心底ほっとしたのが痛いほど理解できた。
私も来世(があるなら)コレになりたい。
他に『稲荷の紋三郎』も良かった。突然「京極氏」を持ち出すあたりなぞ、筒井氏、相変わらず茶目っ気たっぷりである。
70点
短編集。
『犬の沈黙』が面白かった。
ある植物学者のもとへ出版社からインタヴューアーの青年がやってくる。が、彼はほとんど言葉を発しない。応対した学者の娘婿は困惑し、やがて彼を追い出しにかかるが……。
身につまされる話であった。私も弁が立つほうではないので、集団の中では黙っていることが多い。
だが、どうしても自分の意見を言わなければならない場面というのがあるのである。ほとほと困る。困って固まることもしばしばある。
そんな私には、青年が「喋らなくて済むモノ」になって心底ほっとしたのが痛いほど理解できた。
私も来世(があるなら)コレになりたい。
他に『稲荷の紋三郎』も良かった。突然「京極氏」を持ち出すあたりなぞ、筒井氏、相変わらず茶目っ気たっぷりである。
70点
筒井康隆(岩波書店)
父親は失踪し、母親とも死別した少女、月岡愛。
彼女は左腕が不自由というハンディキャップを持ちながらも、父親探しの旅に出る。
設定は近未来だろうか。現在より環境破壊の進んだ世界のようである。
人々の心もすさみ、警察さえその機能を果たしていない。
そんな暗い設定だが、少女の子供らしい負けん気や、脇役陣、ことに犬たちの大活躍が爽快で、読後感は悪くない。
……氏の著書「わかもとの知恵」の裏ワザが出てくるのはご愛嬌か。
70点
父親は失踪し、母親とも死別した少女、月岡愛。
彼女は左腕が不自由というハンディキャップを持ちながらも、父親探しの旅に出る。
設定は近未来だろうか。現在より環境破壊の進んだ世界のようである。
人々の心もすさみ、警察さえその機能を果たしていない。
そんな暗い設定だが、少女の子供らしい負けん気や、脇役陣、ことに犬たちの大活躍が爽快で、読後感は悪くない。
……氏の著書「わかもとの知恵」の裏ワザが出てくるのはご愛嬌か。
70点
筒井康隆(金の星社)
「強力わかもと」に付いていたという小冊子。そこに掲載されていた生活の知恵と、他に「伊東家の食卓」で紹介された裏ワザなども。
知らなかった「知恵」は、とっても得した気分になる。「いつかこれを使うぞ」と心に誓った。
たとえば「めり込んだトゲをぬく知恵」、「庭一面の雑草を始末する知恵」。
イラストも昔っぽくて内容に合っている。「よゐこのみんな、ためしませう」という雰囲気。
65点
「強力わかもと」に付いていたという小冊子。そこに掲載されていた生活の知恵と、他に「伊東家の食卓」で紹介された裏ワザなども。
知らなかった「知恵」は、とっても得した気分になる。「いつかこれを使うぞ」と心に誓った。
たとえば「めり込んだトゲをぬく知恵」、「庭一面の雑草を始末する知恵」。
イラストも昔っぽくて内容に合っている。「よゐこのみんな、ためしませう」という雰囲気。
65点