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よしなしごとども 書きつくるなり
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神薫(バジリコ)

 私立K大医学部を経て研修医となった筆者の赤裸々エッセイ。
 K大といえば私大の雄、どんな豪華なお話が読めるのかと思いきや、研修医に対する待遇はあまりよろしくないようで。その意外性でもって楽しめた。
 また、いろいろな病気、怪我の話も興味深かった。やけどをした患者に皮膚移植をしたら、そのあと縮れっ毛が生えてきた話(移植したのは股の部分の皮膚だった)、とか。唇から毛が生えてくる話(小川洋子『猫を抱いて象と泳ぐ』)を偶然にも読んだばかりだったので、事実も小説も奇なり、とひとりごちた。
 それから超が付くお嬢様女医の話。病気に対する免疫がほとんどない彼女、子供が罹るような流行り病に次々に罹患してしまったそう。お気の毒に。

 ※筆者であるPNUさんは、ネット上でお付き合いいただいているかたです。
  なので点数を付けるのは控えますが、とても楽しい本なので、心からおすすめします。
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鈴木光司(角川書店)

 ウィルス性のガンが爆発的勢いで流行し始めた地球。その病の謎を解くべく、一人の青年がアメリカへと旅立つ。

 「リング」「らせん」とどう繋がるのかなぁと思っていたら、そういうことか。どういうことかと言うと……一番重要な設定をここに書くと、即ネタバレなのでほとんど何も書けない。まぁとにかくとてつもなく深淵な話になったものだ。
 キーワードは「神」あるいは「創造主」。諸行無常の響き有りとでも言っときますか。
80点
鈴木光司(角川書店)

 日本のホラー界もこの本くらいから活気が出てきたように感じられた。その後でた本は「リング」より怖いとか、「リング」を凌ぐとかそんな広告を見かけるようになったから、やはり引き合いに出されるということは、面白いということの証明であろう。
 この作品で最も吸引力があったのはその設定ではないだろうか。ビデオを見たら死ぬという、この設定が上手いと思う。そんなばかなと思いながらも、リアリティのある文章に惹きこまれた。
85点
瀬尾まいこ(マガジンハウス)

 主人公の清(きよ)は、赴任先の高校で文芸部の顧問になった。興味もヤル気もない清だったが、たったひとりの部員である垣内君と接しているうち、次第に何かが変わり始めるのだった……。

 前半、清の苦い思い出話が語られる。高校生のとき、部活仲間だった女の子を自殺に追いやったこと。この部分を読んだだけで、私はたまらない気分になった。清のような、脳みそ筋肉な人間が、心の底から嫌いだからだ。
 そして講師になってからの清もいだたけない。不倫の恋をする彼女。それ自体は否定しないが、相手の男性がいけない。利己的な、ただの優柔不断男なのである。こんな男性に魅力を感じるなんて信じ難い。
 主人公の悪口はこれくらいにして……垣内君が素直でユニークな性格なので、その点だけが面白く読めた。
60点
せがわきり・忌野清志郎(TOKYO FM出版)

 敬愛する忌野清志郎が、初めて画筆をとった絵本、ということで読んでみた。
 しょうくんが森で出会った「ブーア」という生き物。ブーアは、酸性雨や、汚れた池の水によって次第に弱ってゆく……。

 娘には分かりづらい内容だったかもしれないが、大人の私は清志郎の絵を楽しんだ。色が溢れていて過剰な感じが、ストーリーに合っていると思った。
 また、この本の収益の一部は、富士山などの環境保全活動に役立てられているそうなので、そういう意味においてもオススメの一冊である。
80点
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