Back To The Past
よしなしごとども 書きつくるなり
遠慮深いうたた寝
友だちとランチした様子をショート動画にしました。 こちらです。
友だちは「動画? 配信? ゆーちゅーぶって動画を見れるの?」なんて調子だったのに、その数分後には
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↑のタイトルの本のこと。
小川洋子(河出書房新社)
友だちは「動画? 配信? ゆーちゅーぶって動画を見れるの?」なんて調子だったのに、その数分後には
「見て欲しいモノがあるんだ。あとでLINEで送るね」って。
何かと思ったら宗教がらみ、かつ選挙がらみで推してる候補がいて、その人の動画でした……ええ、もちろんYouTube。***************************
↑のタイトルの本のこと。
小川洋子(河出書房新社)
筆者と同い年なのです、実は。だから世が世なら早大で一緒に学んだかもしれないのですよね←絶対入れない人の戯言
あるある話が多くて、ああ同年代だなぁと思いました。
「"推し"のいる季節」
ミュージカルにハマったそうで、公演の予約から当日までのあれこれが熱く書かれていました。
すべてが一筋縄ではいかず……先行予約、当落の確認、代金の支払い、チケット発券、場所と時間の再確認。
少しのミスが命取り、わかる、わかりすぎる。
「行列からはみ出す」
18歳で初めて上京したとき、東京は何て行列の多い場所であろうかと驚いたそう。
わかる、わかりすぎる。
切符を買うのも、ランチするのも、銀行でお金をおろすのも、全部行列。
辛抱強くなければ都会では暮らしてゆけないと小川氏。
私も行列と、それに粛々と並ぶ人たちを驚きの眼差しでみてたなあ。
デパートのトイレなんか行きたいと思ってからじゃあ遅いもんね。なんてデンジャラス。
デパートのトイレなんか行きたいと思ってからじゃあ遅いもんね。なんてデンジャラス。
95点
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最果てアーケード
小川洋子(講談社)
ほんの十数メートルの、薄暗くて小さなアーケード。ひとつひとつの店も、狭くて、扱っている品もよく分からない物ばかり。
でもお客さんは、来る。彼らの探し物を見付けに。
買ったはいいが、つまらなそうな気がして放置していた。ようやく読んだら、予想外の面白さ。
店主たちも客たちも、どこかおかしな人ばかりだ。しかも「変なのー。ふふっ」という感じではなく、不穏な「変」。
「あっという間に死んでしまった」「ナイフで女優に切りつけて」「ホルマリン漬け」「義眼屋」と、普通ではない言葉が、普通な顔をして並んでいる。退屈な日常にふと現れる狂気が、さりげなく描かれている。
少しずつ繋がりがある連作短編、という形態も私好みでした。
80点
ほんの十数メートルの、薄暗くて小さなアーケード。ひとつひとつの店も、狭くて、扱っている品もよく分からない物ばかり。
でもお客さんは、来る。彼らの探し物を見付けに。
買ったはいいが、つまらなそうな気がして放置していた。ようやく読んだら、予想外の面白さ。
店主たちも客たちも、どこかおかしな人ばかりだ。しかも「変なのー。ふふっ」という感じではなく、不穏な「変」。
「あっという間に死んでしまった」「ナイフで女優に切りつけて」「ホルマリン漬け」「義眼屋」と、普通ではない言葉が、普通な顔をして並んでいる。退屈な日常にふと現れる狂気が、さりげなく描かれている。
少しずつ繋がりがある連作短編、という形態も私好みでした。
80点
原稿零枚日記
小川洋子(集英社)
どうやら作家であるらしい「私」の日記。
どうやら作家であるらしい「私」の日記。
苔料理専門店など、非現実的な設定があるかと思えば、記憶の中にだけある「有名な作家」の作品を盗作してしまう話など、リアルさにヒヤリとさせられる部分もあったり。
小さな幻想を無理なく積み重ねていくこの手法、小川氏のセンスが光る。
時間も場所もゆらゆらと変わってゆく。が、「私」の適応力は一定で、何が起きても適当にやり過ごす。「私」の飄々とした物言いに、筆者である小川氏の雰囲気を重ねてみたが、大きく外れてはいない気がする。
小さな幻想を無理なく積み重ねていくこの手法、小川氏のセンスが光る。
時間も場所もゆらゆらと変わってゆく。が、「私」の適応力は一定で、何が起きても適当にやり過ごす。「私」の飄々とした物言いに、筆者である小川氏の雰囲気を重ねてみたが、大きく外れてはいない気がする。
70点
ことり
小川洋子(朝日新聞出版)
兄と7つ年下の弟。兄はあるときを境に独自の言語で喋るようになった。意味不明な言語は、弟にだけ理解できた。成長した彼らは2人だけで暮らした。働けない兄にかわって、弟は企業のゲストハウスの管理人となり、生活を支えるのだった……。
何という不思議なストーリーなのだろう。小さくて、繊細で、はかない物語。それは言い換えると、せせこましくて、読んですぐ忘れてしまうような物語だ。どちらに転ぶかは、読み手次第かもしれない。
鳥に執着する兄は、優しい弟に守られて、やっと生きている。でも本人にその自覚は無いらしく、彼は自由にふるまう。2人で旅行の計画を立て、準備万端整えたのにドタキャンしてみたり。弟は許しても、私のイライラはゆっくりと積もってゆく。
結局、兄は(弟も?)イマドキの言葉で表すなら重度のコミュニケーション障害のようだ。彼らは自分たちだけの狭い世界で生きることを望み、他人の干渉を嫌う。
「本で紹介していただくようなことは何も無いのです」という2人の困惑が、そのままこの作品の印象の薄さ、平板さに直結しているような気がした。
55点
小川洋子の偏愛短編箱
小川洋子(河出書房新社)
小川氏が選んだ、小川氏が偏愛する16の短編。
僭越ながら、とても小川氏らしい16個だな、と思った。どこか奇妙な感じ、危うい感じの短編が多い。それはすなわち、小川氏がよく書かれる小説に通じるものがある。
各作品のあとにある短評も良かった。彼女ほどの作家でも、武田百合子に「……を描いて欲しい」と想い、森茉莉の小説の一行は「宝石のようだ」と感嘆する。そこに驚いた。
75点
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