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ラモリス・作、岸田衿子・文(偕成社)
パスカルという男の子は、ある日不思議な赤い風船を見付ける。
自分の言うことが分かって、自分の後を付いてくる風船。
子犬みたいにいとおしい風船。
何冊かあるこのシリーズ。
いわさきちひろの絵が繊細で美しく、甲乙つけがたい良い作品ばかりである。
この作品ももちろん、子供たちがとても生き生きと可愛らしく描かれていて素晴らしい。
ちょっと暗いトーンの街中を、元気に走る歓声が聞こえてきそうである。
パスカルという男の子は、ある日不思議な赤い風船を見付ける。
自分の言うことが分かって、自分の後を付いてくる風船。
子犬みたいにいとおしい風船。
何冊かあるこのシリーズ。
いわさきちひろの絵が繊細で美しく、甲乙つけがたい良い作品ばかりである。
この作品ももちろん、子供たちがとても生き生きと可愛らしく描かれていて素晴らしい。
ちょっと暗いトーンの街中を、元気に走る歓声が聞こえてきそうである。
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近江源太郎監修(角川書店)
「彼女の瞳はとび色で、髪は亜麻色、ミスト・グリーンに染まった街をピジョンズ・ブラッドのドレスで歩いていた」
……はっきりと映像化できました?
色の名前ってなかなか興味深い。
私が好きな色は「黒」だが、好きな色の名前は「茄子紺」。
この色のネーミングはこれしかないと思う。
解説もいい。
鴇色(ときいろ)の話は必見である、日本人として。
(補足)私の持っているのは「色々な色」(光琳社出版)という本だが、現在は上のようなタイトルで出ているらしい。
「彼女の瞳はとび色で、髪は亜麻色、ミスト・グリーンに染まった街をピジョンズ・ブラッドのドレスで歩いていた」
……はっきりと映像化できました?
色の名前ってなかなか興味深い。
私が好きな色は「黒」だが、好きな色の名前は「茄子紺」。
この色のネーミングはこれしかないと思う。
解説もいい。
鴇色(ときいろ)の話は必見である、日本人として。
(補足)私の持っているのは「色々な色」(光琳社出版)という本だが、現在は上のようなタイトルで出ているらしい。
石垣りん(理論社)
石垣りん氏の作品の中から選び抜かれた33編の詩。
抽象的で独りよがりな詩集とは一線を画する石垣氏の詩集。
言葉の一つ一つが日常に密着していて、すっと心に入ってくる。
選者である水内喜久雄氏のあとがき「石垣りんさんをたずねて」も興味深い内容であった。
彼女はこう言ったという。
……空に虹がかかったとき、知らない人にもそれを言いたい、欲得なしに伝えたい、そんな気持ちを形にしたのが「詩」。
石垣氏の言葉はとても自然で、あたたかだった。
石垣りん氏の作品の中から選び抜かれた33編の詩。
抽象的で独りよがりな詩集とは一線を画する石垣氏の詩集。
言葉の一つ一つが日常に密着していて、すっと心に入ってくる。
選者である水内喜久雄氏のあとがき「石垣りんさんをたずねて」も興味深い内容であった。
彼女はこう言ったという。
……空に虹がかかったとき、知らない人にもそれを言いたい、欲得なしに伝えたい、そんな気持ちを形にしたのが「詩」。
石垣氏の言葉はとても自然で、あたたかだった。
梅佳代(リトルモア)
写真集。
何気ない日常を撮っているのだが、思わず「ふふっ」と笑ってしまうおかしさがある。
犬って本当に素っ頓狂だよなぁ。
小学生の男子って、どうしてこう調子に乗っちゃうのかねぇ。
オバサンってのは元気だよなぁ。
というふうに、どこかで見掛けた感のある風景がたくさんあった。
個人的に、犬のしっぽのアップにグッときた。
くるっときれいに巻いたしっぽは、芸術的でさえある。
写真集。
何気ない日常を撮っているのだが、思わず「ふふっ」と笑ってしまうおかしさがある。
犬って本当に素っ頓狂だよなぁ。
小学生の男子って、どうしてこう調子に乗っちゃうのかねぇ。
オバサンってのは元気だよなぁ。
というふうに、どこかで見掛けた感のある風景がたくさんあった。
個人的に、犬のしっぽのアップにグッときた。
くるっときれいに巻いたしっぽは、芸術的でさえある。
エドワード・ゴーリー(河出書房新社)
冬の晩、あるお屋敷にヘンな生き物がやってくる。
まるでアリクイみたいな風体。
好き勝手にふるまうそいつは、一体何者なのか?
モノクロの絵は暗いタッチで、屋敷に住む人たちの顔も陰鬱だ。
ただ闖入者だけが、彼の瞳だけが、いたずらを楽しむ者に特有の愉悦に満ちている。
また、短歌のような文章は、リズムにのって楽しく読めた。
気に入ったものは池に投げ入れて「保護に尽力」なんて部分には苦笑させられた。
このヘンな生き物は「すべての子供の比喩」と解説にあった。
なるほど……それで納得。
冬の晩、あるお屋敷にヘンな生き物がやってくる。
まるでアリクイみたいな風体。
好き勝手にふるまうそいつは、一体何者なのか?
モノクロの絵は暗いタッチで、屋敷に住む人たちの顔も陰鬱だ。
ただ闖入者だけが、彼の瞳だけが、いたずらを楽しむ者に特有の愉悦に満ちている。
また、短歌のような文章は、リズムにのって楽しく読めた。
気に入ったものは池に投げ入れて「保護に尽力」なんて部分には苦笑させられた。
このヘンな生き物は「すべての子供の比喩」と解説にあった。
なるほど……それで納得。