Back To The Past
よしなしごとども 書きつくるなり
ストレンジ・デイズ
村上龍(講談社)
落ちぶれた音楽プロデューサーの男が主人公。ふとしたことで、天才的な演技力を持つトラックドライバーのジュンコと出逢う。彼は彼女の映画が撮りたいと、痛切に願うようになる。
面白くないとは言わないが、人に勧められるような本ではない、作者の毒気に当てられるというか、それにとても読みにくい、こんなふうに句読点がヘンだし、誰かのセリフが長々といつ果てるとも知れないように続くし。
と、まねして書いてみたが、こういう文体って書く側は楽だ、ということに気付いた。
筆者はどうやら、美人、金持ち、権力者、あるいはセンスの良い人間しか認めていないようだ。いちいち「……ベンチに座ってホカ弁を食べるようなブスOL」なんて表現する必要はないと思うのだが。他にたとえようはないのか。
45点
落ちぶれた音楽プロデューサーの男が主人公。ふとしたことで、天才的な演技力を持つトラックドライバーのジュンコと出逢う。彼は彼女の映画が撮りたいと、痛切に願うようになる。
面白くないとは言わないが、人に勧められるような本ではない、作者の毒気に当てられるというか、それにとても読みにくい、こんなふうに句読点がヘンだし、誰かのセリフが長々といつ果てるとも知れないように続くし。
と、まねして書いてみたが、こういう文体って書く側は楽だ、ということに気付いた。
筆者はどうやら、美人、金持ち、権力者、あるいはセンスの良い人間しか認めていないようだ。いちいち「……ベンチに座ってホカ弁を食べるようなブスOL」なんて表現する必要はないと思うのだが。他にたとえようはないのか。
45点
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すべてがFになる
森博嗣(講談社)
単純に、ただ面白かった、では済まされない作品らしい。いろんな趣味嗜好の人々の琴線に、あるいは逆鱗に触れてしまう作品のようだ。
「ガンダム系」という表現が出てくる。それから、頭脳明晰、美人でしかもお嬢様の萌絵。そして、タイトル、本文中に散りばめられたコンピュータ用語。
「鼻につく」という方もいるだろう。「好き。ハマる」という方もいるだろう。私はどちらでもないが、ひとこと言うなら「よくできてるな」であった。
75点
単純に、ただ面白かった、では済まされない作品らしい。いろんな趣味嗜好の人々の琴線に、あるいは逆鱗に触れてしまう作品のようだ。
「ガンダム系」という表現が出てくる。それから、頭脳明晰、美人でしかもお嬢様の萌絵。そして、タイトル、本文中に散りばめられたコンピュータ用語。
「鼻につく」という方もいるだろう。「好き。ハマる」という方もいるだろう。私はどちらでもないが、ひとこと言うなら「よくできてるな」であった。
75点
名文を書かない文章講座
村田喜代子(朝日新聞出版)
文章を書くのは難しい。自分の書いたものは、どこかヘンな気がする、具体的に説明できないけれど、どこかが。そんな私のための、貴方のための一冊。
「あ! そういうことか!」と思わず膝を打つようなことがたくさん書かれていた。
まず『そろーりと始めよう』。エッセイの書き出しで、いきなり情報過多にしないこと。
「昨年の五月十五日、十坪ほどの家の庭で、隣の佐藤さんから譲り受けた深紅のバラが三十輪も一斉に咲いた。」
これは良くない。読者がついていけなくなる。
それから、女性の文章に多いという「~とのこと」。
「娘に給食の献立をきくと、カレーが出たとのことだった。」
読んでいていかにも舌足らずな感じがする。言葉をはしょらずに書くと
「娘に給食の献立をきくと、カレーが出たと教えてくれた。」
となる。
文章が明確になり、座りがよくなった。
こんなふうにちょっとしたことだけれど大事なことが、この本には詰まっている。
80点
文章を書くのは難しい。自分の書いたものは、どこかヘンな気がする、具体的に説明できないけれど、どこかが。そんな私のための、貴方のための一冊。
「あ! そういうことか!」と思わず膝を打つようなことがたくさん書かれていた。
まず『そろーりと始めよう』。エッセイの書き出しで、いきなり情報過多にしないこと。
「昨年の五月十五日、十坪ほどの家の庭で、隣の佐藤さんから譲り受けた深紅のバラが三十輪も一斉に咲いた。」
これは良くない。読者がついていけなくなる。
それから、女性の文章に多いという「~とのこと」。
「娘に給食の献立をきくと、カレーが出たとのことだった。」
読んでいていかにも舌足らずな感じがする。言葉をはしょらずに書くと
「娘に給食の献立をきくと、カレーが出たと教えてくれた。」
となる。
文章が明確になり、座りがよくなった。
こんなふうにちょっとしたことだけれど大事なことが、この本には詰まっている。
80点
抱きしめる、東京~町とわたし
森まゆみ(講談社)
1954年に生まれた筆者が、移ろい行く「東京」を、自分の生活に絡めて描いたエッセイ。
私より少し上の世代だが、幼い日に見たこと、したことは結構共通することがある。紙製の着せ替え人形、コンクリート製のごみ箱……ノスタルジイを感じる。
ただ附属高、早大(東大は二次で落ちた)と進んでいくあたりは、自分の賢さをひけらかさないように、そーっと書いている感じがした。
「なんだ、苦労知らずのお嬢様かい」って思われたくないのか……なんて邪推かしら。
55点
1954年に生まれた筆者が、移ろい行く「東京」を、自分の生活に絡めて描いたエッセイ。
私より少し上の世代だが、幼い日に見たこと、したことは結構共通することがある。紙製の着せ替え人形、コンクリート製のごみ箱……ノスタルジイを感じる。
ただ附属高、早大(東大は二次で落ちた)と進んでいくあたりは、自分の賢さをひけらかさないように、そーっと書いている感じがした。
「なんだ、苦労知らずのお嬢様かい」って思われたくないのか……なんて邪推かしら。
55点
八つの小鍋 村田喜代子傑作短編集
村田喜代子(文藝春秋社)
文庫本に「傑作短編集」と書かれているが、看板に偽りなしであった。
日常の中で見落としてしまうであろう「ちょっと変」をあぶり出すのが、筆者は上手だ。
封筒ののりしろを舐めて「こんなこと、好き」という男。
入院中の有沢さんは、毎日医師に思い出話をしに行くが、前日話したことは忘れている。
「もうすぐ死ぬ」と40年近く言い続けて死んだ、90歳の祖母。
少しのズレが、おかしみを、あるいは怖さを生む。その最たる作品が「茸類」。
美枝の従妹・康江は椎茸農家だが、収穫時期にケガをしてしまい、美枝が助っ人に借り出される。
マムシが出るという草むら。死んだ木にしか育たないキノコ。匕首のように鋭く澄んだ焼酎……。何かを暗示するような言葉が続き、最後に禍々しい事実が明らかとなる。
人が、ふっと常軌を逸する瞬間が、鮮やかに描かれている。
75点
文庫本に「傑作短編集」と書かれているが、看板に偽りなしであった。
日常の中で見落としてしまうであろう「ちょっと変」をあぶり出すのが、筆者は上手だ。
封筒ののりしろを舐めて「こんなこと、好き」という男。
入院中の有沢さんは、毎日医師に思い出話をしに行くが、前日話したことは忘れている。
「もうすぐ死ぬ」と40年近く言い続けて死んだ、90歳の祖母。
少しのズレが、おかしみを、あるいは怖さを生む。その最たる作品が「茸類」。
美枝の従妹・康江は椎茸農家だが、収穫時期にケガをしてしまい、美枝が助っ人に借り出される。
マムシが出るという草むら。死んだ木にしか育たないキノコ。匕首のように鋭く澄んだ焼酎……。何かを暗示するような言葉が続き、最後に禍々しい事実が明らかとなる。
人が、ふっと常軌を逸する瞬間が、鮮やかに描かれている。
75点
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