忍者ブログ

津軽

太宰治(新潮社)

 津軽を旅した太宰の紀行文。
 郷土の歴史についての記述は冗長で退屈だったが、友人、知人との再会の描写などは、いかにも楽しげに生き生きと書かれていた。
 彼があちこちで酒に執着する様子なども、茶目っ気たっぷりに描かれており、その一喜一憂ぶりに苦笑してしまった。

 そして、この作品の主題は、なんといっても彼の育ての親「たけ」との再会であろう。その部分を書きたいが為に、彼はこの作品を書いたのではないかと思わせるくらい、再会のシーンが素晴らしかった。
 ぎこちなく喜びを表現する「たけ」、心から寛いで、母親の無心の愛もかくや、と思いを馳せる太宰。二人のやり取りには、肉親同士に勝るとも劣らない優しさが溢れていた。
75点
PR

この記事にコメントする

お名前
タイトル
メール
URL
コメント
絵文字
Vodafone絵文字 i-mode絵文字 Ezweb絵文字
パスワード

カレンダー

06 2025/07 08
S M T W T F S
1 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30 31

カテゴリー

フリーエリア

最新コメント

[06/16 まきまき]
[06/16 ぴーの]
[06/10 まきまき]
[06/10 もか]
[06/09 まきまき]

プロフィール

HN:
まきまき
性別:
女性

バーコード

ブログ内検索

P R

カウンター

アクセス解析