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今夜、すべてのバーで

中島らも(講談社)

 アル中の主人公が肝硬変で入院するという話。患者たちはヘンな人ばっかりで笑える。でいろいろ笑わせておいて、最後に命について考えさせられる事件が起こる。
 崖っぷちで踏みとどまって生き長らえる人間、潮が引くように、しかも前触れもなく死んでいく人間。その差は何なのだろうか。生命力?この作品を読むと、そればかりではないように思えてくる。もっと抗いがたい、何らかの「力」が作用している気がする。
70点
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アフターダーク

村上春樹(講談社)

 深夜のファミレスで時間をつぶすマリ。彼女の前に、以前会ったことがある若い男タカハシが現れる。
 いっぽうマリの姉のエリは、どこかの部屋で深く眠っている。いつ覚めるとも知れない、深い眠りだ……。

 どこまで読んでも地下鉄サリンの話にならないので不審に思ったら、そっちは「アンダーグラウンド」という作品だった。その勝手な勘違いが災いしてか、とても退屈な小説に思えてしまった。
 特にエリの部屋の描写は、同じことの繰り返しにしか思えなかった。ここをばっさり削ってラストのAM6:52へ飛んでもまったく問題ないのではないだろうか。
50点

恐怖と愛の映画102

中野京子(文藝春秋社)

 映画の紹介エッセイ。
 私が見たものは二割にも満たないくらいだったが、だからこそ今後の楽しみが増えたとも言える。
 大いに共感したのは『誰も知らない』。少年が最悪の境遇で孤軍奮闘するさまは、本当に美しくて悲しくて、泣けて泣けてしょうがなかった。
 逆に「?」だったのは『シカゴ』。筆者はダンスを貶し、主要人物の悪党ぶりに辟易しているようだが、私はこの映画が好きだ。一流になろうとしている人間は、これくらいの汚さとガッツがあっても良いと思う。
70点

ひとつ、村上さんでやってみるか

村上春樹、安西水丸(朝日新聞社)

 期間限定で開設された村上氏のサイトに寄せられた質問に、村上氏が自ら答えるという内容。

 質問の内容が多彩で面白かった。作品のこと、ジャズについて、翻訳とは? 果ては人生相談まで。中には質問者の自慢話っぽいものもあったが(オレ様の知識を聞いて驚けふうな)、そういう輩にも村上氏は丁寧な答えを返す。
 心に残ったQ&Aは
 Q「本の面白さを、言葉でうまく表現することができない」
 A「それは自然なことで、何も恥じることはありません。言葉だけは達者だけど、魂は浅いという人が世の中にはたくさんいます」
 言葉も魂も、いっしょに磨かなければと今更ながら私も思った。
70点

ムテッポー文学館

中野翠(文藝春秋社)

 書評のコラム集。を読んで書評を書くというのもどうかと思うが……ま、いいか。
 こういうのを読むと、褒めコトバより貶しコトバのほうが、断然おもしろいことに今更ながら気付く。でもそれは私の性格が悪いだけかもしれませんが。

 いろんな本のいろんな引用文があるが、特に気に入ったものをここにさらに引用したい。斎藤緑雨の「緑雨警語」より。「それがどうした。ただこの一句に、大方の議論は果てぬべきものなり。政治といわず文学と言わず」
60点

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