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変身

東野圭吾(講談社)

 強盗に銃で頭を打ち抜かれた青年・成瀬は、世界初の脳移植手術を受けた。
 一命を取り留めた彼は、だが次第に性格が凶暴化し、元の性格を失なってゆく。自分が他人に侵食されていく恐怖……それは脳移植のせいなのか。

 成瀬の「変身」ぶりが読ませる。初めは快活になれて良かったね、という程度のものだったのに、気が付いたら大悪党になっていた。彼の焦りは想像するに余りある。
 ただ、物語の要所要所に女性が絡んでくるので、それが全体を軟派な印象にさせているような気がした。
70点
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ミミズクとオリーブ

芦原すなお(東京創元社)

 不思議な能力を持つ小説家の妻。彼女は未解決の事件を、あらましを聞いただけで解決してしまう。
 うーん、これは感想を書きづらい。嫌いではないが、設定に無理があるように思える。時代背景は「現代」だが、主人公の夫婦だけが、明治時代の文豪夫婦していて、それがどうにも……。妻が暴くトリックも、古めかしい。
 それでもこの作品が醸し出す雰囲気、素直な優しい雰囲気は気に入った。
 妻は料理上手という設定で、これが本当に食指を動かされる。カマスを焼いて、すり潰して、ムギ味噌と合わせて、直火であぶる……日本酒を冷やでつけてくれぃ。
70点

怪笑小説

東野圭吾(集英社)

 短編集。
 『おっかけバアさん』が面白かった。
 夫を亡くし、つましく暮らしていたおばあさん。ところがある役者に入れ揚げるようになり、全てを失ってゆく、というストーリー。

 こういうことは年齢に関係なく起こり得ることだと思うが、主人公が歳を取ってる分だけ余計に哀れで、情けなさが倍加する。
 オチも凄まじいが、でもおばあさんは本懐を遂げたふうにも取れ、だからこそ「笑って」いたのかもしれない。
65点

鉄道員

浅田次郎(集英社)

 短編集。私は表題作より「うらぼんえ」が好き。
 嫁という立場で、四面楚歌で、艱難辛苦してるとき、じいちゃんが助太刀に来てくれる……あの世から。
 いくつになっても、たとえ死んでも、孫がかわいいというじいちゃんの慈愛に、敬服。
 その他の話も粒ぞろいで甲乙付け難く、泣かされた。
95点

ブーアの森

せがわきり・忌野清志郎(TOKYO FM出版)

 敬愛する忌野清志郎が、初めて画筆をとった絵本、ということで読んでみた。
 しょうくんが森で出会った「ブーア」という生き物。ブーアは、酸性雨や、汚れた池の水によって次第に弱ってゆく……。

 娘には分かりづらい内容だったかもしれないが、大人の私は清志郎の絵を楽しんだ。色が溢れていて過剰な感じが、ストーリーに合っていると思った。
 また、この本の収益の一部は、富士山などの環境保全活動に役立てられているそうなので、そういう意味においてもオススメの一冊である。
80点

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