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女医裏物語

神薫(バジリコ)

 私立K大医学部を経て研修医となった筆者の赤裸々エッセイ。
 K大といえば私大の雄、どんな豪華なお話が読めるのかと思いきや、研修医に対する待遇はあまりよろしくないようで。その意外性でもって楽しめた。
 また、いろいろな病気、怪我の話も興味深かった。やけどをした患者に皮膚移植をしたら、そのあと縮れっ毛が生えてきた話(移植したのは股の部分の皮膚だった)、とか。唇から毛が生えてくる話(小川洋子『猫を抱いて象と泳ぐ』)を偶然にも読んだばかりだったので、事実も小説も奇なり、とひとりごちた。
 それから超が付くお嬢様女医の話。病気に対する免疫がほとんどない彼女、子供が罹るような流行り病に次々に罹患してしまったそう。お気の毒に。

 ※筆者であるPNUさんは、ネット上でお付き合いいただいているかたです。
  なので点数を付けるのは控えますが、とても楽しい本なので、心からおすすめします。
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ナポレオン狂

阿刀田高(講談社)

 短編集。思わず背中がひやりとするような作品ばかりであった。
 「来訪者」。真樹子は裕福な家庭の主婦であった。あるとき、子供の出産時に世話になった雑役婦の初江の来訪を受ける。ずうずうしい初江に眉をしかめる真樹子。初江の狙いは何なのか?
 初江を見下し冷たくあしらおうとする真樹子は、自分自身のエゴイズムにまったく気付いていない。初江が辞去したあとに分かる恐ろしい事実は、そんな彼女に対する罰なのかもしれない。
 最後に収録されている「縄」という作品は、忘れられない作品になりそうである。でも後で(特に、眠れない深夜に)思い出したくないストーリーなのだが。
85点

屁で空中ウクライナ

ピエール瀧(太田出版)

 雑誌「テレビブロス」に連載していた旅行記を単行本化したのが本書。
 オールカラーで1480円は安いと思ったら、装丁が、あのへんな毛が付いてる大学ノートそのもの。持ち歩いているうちに、すっかりくたびれてしまった。
 その辺からして、おふざけムード満点なのだが、中身がまた(良い意味で)頭悪そうでたまらない。

 旅行記といっても、時代に取り残されたようなレジャー施設や意味不明なお祭りなどの取材が多い。そのうすら寒さをストレートに活写していて、楽しいんだか楽しくないんだか、読んでるほうも訳が分からなくなってくる。
 全体的にダラダラした本だが、唯一村田兆治との対談は真面目で面白かった。
60点

ループ

鈴木光司(角川書店)

 ウィルス性のガンが爆発的勢いで流行し始めた地球。その病の謎を解くべく、一人の青年がアメリカへと旅立つ。

 「リング」「らせん」とどう繋がるのかなぁと思っていたら、そういうことか。どういうことかと言うと……一番重要な設定をここに書くと、即ネタバレなのでほとんど何も書けない。まぁとにかくとてつもなく深淵な話になったものだ。
 キーワードは「神」あるいは「創造主」。諸行無常の響き有りとでも言っときますか。
80点

そして殺人者は野に放たれる

日垣隆(新潮社)

 刑法39条「心神喪失者の行為は、罰しない」
 この一文を盾に、悪意の犯罪者が罪を償うことなく娑婆に出てくる恐怖……。

 文庫本の帯にこうある。「無罪判決」その時、殺人者はニヤリと笑った。
 売らんかなの惹句かと思ったら、どうやら事実らしい。
 80年の新宿バス放火殺人事件、82年の深川通り魔殺人事件の両被告は、判決の瞬間に笑ったというのだ。精神異常者のふりをすれば刑を免れる、まさにしてやったりの笑顔。恐ろし過ぎる。
 また飲酒や覚せい剤による酩酊状態で罪を犯したときは、心神耗弱とみなされて刑が軽減されるという。加重ではなく軽減? まったく信じ難いことである。
 一刻も早くこのような悪法を改正し、少しでも被害者が救われるようにして欲しいものである。
70点

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