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包帯クラブ

天童荒太(筑摩書房)

 高校生の笑美子は、数人の友人といっしょに「包帯クラブ」の活動を始める。
 誰かが傷付いた場所に行き、包帯を巻く。その「手当て」によって、傷は傷として認められ、目には見えない出血が止まるような気がした……。

 このアイディアはすごい、と読んでる最中、単純に思った。
 誰しもいろいろな傷を受けながら生きている。が、声高に「傷付きました」と言うことにはためらいがある。「そんなことで」と他人には思われそうだから。
 その微妙な部分を認めることで、心が少し慰められるというのは、至極わかりやすい。

 それから、笑美子たちが使う各地の方言がいい。仲間うちの暗号のような使われ方をしているのだが、イマドキの高校生の話し言葉でこの物語が進んだら、きっと興醒めしただろう。
 所々に挟まれる現状報告も良かった。彼女たちの「その後」もまた興味深く読むことができた。
80点
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