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よしなしごとども 書きつくるなり
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戸梶圭太(新潮社)

 とある大手企業が「溺れる魚」と名乗る犯人から脅迫を受けていた。それは経理部長にを奇怪な格好をさせ、銀座の街を歩かせろ、というものだった。
 ひそかに犯人を追う一人の警部。さらに彼を見張る二人の警部補。また、犯人に成り代わって金を脅し取ろうとする警部。はたして最後に笑うのは誰なのか?

 追うものと追われるものがくんずほぐれつ、最後までとにかく飽きさせない。女性や端役のちんぴらの描き方が雑だが、細かいことは言いっこなし、という気にさせられる。
 ラスト、最後に金を手に入れたのが彼だとは……と、人情的にがっかりしたが、犯罪がらみの金なんて、得てしてそういうところに落ち着くのかもしれない。
75点
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貫井徳郎(文藝春秋社)

 牧師の息子である早乙女は、幼い頃から神について深く考えを巡らすことが多かった。なぜ神は永遠の沈黙を守るのか。神は人間を創り、そして見捨てたのか。福音を聞くにはどうしたらよいのか……。彼の疑問は膨れ上がり、やがて暴走し始める。

 裏表紙に「殺人者への道」とあったので、早乙女が殺人を犯すということは予想はついていた。だがそのシーンはあまりに唐突に出現し、しかもかなり残酷だ。彼は客観的に見た場合、ただの人格破綻者だが、彼の裡には筋道だった理屈が存在するからタチが悪い。
 さて、この作品は全編を通じてキリスト教についての言及があるが、遠藤周作の作品と比較すると、それは踏み込み不足である。
 トリックの点でもあまり上手とは言えない部分があった(同じような人物名を使っているところなど)。
 ただ牧師の犯罪という設定はかなり興味深かった。
70点
貫井徳郎(東京創元社)

 幼い子を狙った誘拐事件が続発するが、警察の捜査は膠着状態に陥る。捜査一課長である佐伯は、自身のスキャンダルも暴露されて、窮地に立たされる。
 同時進行で、ひとりの男が怪しげな新興宗教にのめり込んでゆく様も描き出される。一見、何の関係もなさそうな二つのストーリーは、やがて絡み合って……。

 犯人の正体の意外性たるや、アガサ・クリスティの作品群に匹敵する勢いであった。ここまで見事に騙されたら、むしろ小気味良い。
 そして犯人の動機が分かった瞬間、物語全体が違った色彩を帯びて見えてくる。
 途轍もなくやるせない、哀しい物語であった。
95点
戸田奈津子(集英社)

 「字幕 戸田奈津子」この表示に何度胸躍らせたことか。私の一番好きな映画「バック・トゥ・ザ・フューチャー」も彼女の訳である。
 この本を読んで知ったが、字幕やさんになるために結構努力されたんですね。気付いた時には第一線で活躍中だったから意外だった。

 さて、紹介されている映画のセリフで心に残ったものを紹介しよう。
 まず「a heartstopper」。心臓を止める人という意味だが、映画の中では「心臓が止まるほどのイイ女」という使い方。くー、こんなふうに表現されたい。遠慮無く言って欲しい。
 次に「Thanks a mill」。これは「Thanks a million」百万べん、ありがとう、という意味。辞書には載ってない。
 最後は日本語の「ゴキブリホイホイ」は「roach motel」ゴキブリ・モーテル。笑える。
 そんな感じで生きた英語がたくさん載っていて結構楽しめた。
80点
司馬遼太郎(新潮社)

 十五巻にのぼる随筆集の第一巻。1953年からの8年間の記録。
 歴史小説が苦手なので、司馬氏の本はこれが初めてであった。とても面白く読めた。

 短文が多いなか、ちょっと長めの「家康について」が良かった。歴史に疎い私でも、ちんぷんかんぷんになることもなく、飽きずに読めた。
 信長が現代に生きたとしたら前衛芸術家となり、秀吉は政治家、家康は高級官僚になったに相違ない……そんな想像に興味をかき立てられた。
 うってかわって、下戸の悲哀を描いた「わかってください 酒を飲む苦しみを…」というエッセイはとても愉快だった。上戸の奥様とのやりとりが絶妙。
70点
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