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朗読者

ベルンハルト・シュリンク(新潮社)

 ハンナは無実の罪を着せられて刑務所行きになる。彼女がひた隠しにした事実は、自分が文盲であるということだった。

 彼女の羞恥心や価値観には驚かされた。すべてを失ってまで隠したい事実が文盲、現代の日本では彼女の心中を想像することさえ難しい。
 そして三十過ぎの彼女を支える十五歳のミヒャエル。何年も彼女のもとに通い、自分が本を朗読したテープを届ける。私は彼の行動には過度の偏執を感じてしまった。めくるめくような性を教えてくれた彼女に夢中になる過程は分かるが、その気持ちがずっと持続するというところが理解できなかった。
 でもショッキングな設定の割には、静かで地に足がついた読みやすい小説ではある。
80点
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