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雪のひとひら

ポール・ギャリコ(新潮社)

 冬のある日、はるかな空の高みで雪のひとひらは生まれた。地上に降り立った「彼女」は、原っぱから川へ、湖へ、海へ、旅をし続けた……。

 裏表紙の粗筋を読んだときには「子供だましのファンタジー小説?」と危惧したが、それは要らぬ心配であった。
 まず出だしからして、とても惹きつけられた。雪のひとひらが初めて目にした日の出の様子が、情緒たっぷりに描かれている。
 また、雨のしずくとの出会いのシーンも良い。それまで孤独だった彼女が味わった、めくるめくような高揚感が伝わってくる。

 物語のそこかしこに創り主の存在をほのめかすような文章が登場するが、それが素直に心に響いた。いまわのきわに彼女は思う……この宇宙のすばらしい調和について。つつましい存在の自分自身ではあるが、決して無意味な存在ではない、ということを。
 彼女が得た気付きは、そのまま私の心をも鎮めてくれた。
80点
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