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貧しき人びと

フョードル・ミハイロヴィッチ・ドストエフスキー(新潮社)

 役所に30年あまりも勤める、無学で貧しい男、マカール・ジェーヴシキン。病弱な薄幸の女、ワーレンカ。
 二人の往復書簡によってストーリーが進んでゆく。ドストエフスキーの処女作。

 貧しいにもほどがある、というほどの貧しさ。マカールもワーレンカも、お互いの窮状を察しては、なけなしのお金を送りあう。だが次々と問題が起こり、不幸が連鎖し、周囲の人々も困窮してゆく。読んでいて胸が苦しくなった。
 マカールの書いた「貧乏人というものはぼろ屑にも劣る」という一節が、この物語のすべてを語っているかのようだ。
 幾多の屈辱に耐え、消耗していく人々は、まるで「生きる資格もない」と神に見捨てられたかのようである。
50点
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