忍者ブログ
ADMINWRITE
よしなしごとども 書きつくるなり
[1010]  [1009]  [1008]  [1007]  [1006]  [1005]  [1004]  [1003]  [961]  [960]  [959
パトリシア・ハイスミス(河出書房新社)

 中後期の短編集。
 表題作の『目には見えない何か』。
 ごく平凡な主婦のヘレーネは、ひとりでとあるホテルに滞在していた。そこで彼女は二人の男性から求婚される。
 だが彼女はどこか醒めたような態度で二人に接する。「みんなが私に関心を持つのは、もう私が他人を必要としていないからだ」……彼女はそう結論付けるのだった。

 45歳のヘレーネが、なぜそこまでモテるのか、ずっと謎のまま話は進む。もしかして、すべては彼女の妄想? と思い始めた矢先、唐突に物語は終焉を迎える。
 そのあっけないほどの結末が、なんとも物悲しい。求めると手に入らない、要らないと思ったときには、拒んでもやってくる。そんな人生の皮肉が込められているようだ。
 他の短編も甲乙つけがたいほど素晴らしく、『ゲームの行方』『狂った歯車』には、特にぞっとさせられた。
90点
PR
この記事にコメントする
お名前
タイトル
文字色
メールアドレス
URL
コメント
パスワード   Vodafone絵文字 i-mode絵文字 Ezweb絵文字
カレンダー
01 2025/02 03
S M T W T F S
2 4 5 6 7 8
9 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22
23 24 25 26 27 28
カテゴリー
フリーエリア
最新コメント
[01/30 まきまき]
[01/30 もか]
[01/23 まきまき]
[01/23 ぴーの]
[01/16 まきまき]
プロフィール
HN:
まきまき
性別:
女性
バーコード
ブログ内検索
P R
カウンター
アクセス解析

Designed by 湯月   Material by ウタノツバサ
Copyright c [ Back To The Past ] All Rights Reserved.

忍者ブログ [PR]