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パパラギ

岡崎照男・訳(立風書房)

 サモア人の酋長であるツイアビの演説集。「パパラギ」とは白人のこと。そのパパラギが、いかに愚かで貧しい存在かを熱く、しかし静かに語っている。

 思わず微笑してしまう表現も。「……この皮で、パパラギは、ちょうど足がはいるくらいの、ふちの高い小さなカヌーを作る。一つのカヌーを右足に……」。靴のことである。
 しかし、笑っていられない話のほうが断然多い。たとえば、気持ちの良い天気の日に「あぁ素晴らしい!太陽が輝いている」と思ったりする。でもそれは変だ、と彼は言う。何も考えず、手足を自由に伸ばして美しい空気を楽しめば良い、と。いちいち考えることはある種「病気」だと。

 ここまで文明が進んだ現代、はたしてこの文明の方向性は正当であるのか、もう誰にも判断はできないだろう。でも人間はあらゆる意味において「過剰」だと思う。いつか誰かの逆鱗に触れて初期化されてしまいそうで怖い。
85点
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