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どちらでもいい

アゴタ・クリストフ(早川書房)

 短編集。
 というよりも断片集といったほうがいいかもしれない。非常に短く、あまり意味の分からない夢想のような文章も混ざっている。

 『郵便受け』という作品は面白かった。
 孤児院で生まれ、今や人生の成功者となった「私」。いつか本当の父や母から手紙がくるのではないかと想像する。「あなたが立派になってうれしい。年老いた私を援助してはくれまいか」、そんな手紙。
 ある朝「私」の郵便受けに、父親からの手紙が届く。そこに書かれていたことは……。

 「私」が望んでいたような親は現れなかった。自分を捨てたことを後悔し、足元に跪くような親は。不幸な親を救う自分。彼の二段構えの暗い願望には、人間の業の深さをみたような気がした。
45点
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