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停電の夜に

ジュンパ・ラヒリ(新潮社)

 九つの短編が載っているが、私が好きなのは、まず「停電の夜に」。
 妻が死産したことによって夫婦仲が冷え切ってしまった男女。二人は停電の夜ごと、秘密を打ち明けあうことにした。カンニングしたことがある、そんな他愛のない話。そして最後の夜……。
 夫が妻を描写するときの目線がかなりシビア。家で寛いではいけないということか。

 次に「三度目で最後の大陸」。結婚を期にアメリカへ移住したインド人の男が、ほんの数週間とある家に下宿することになった。そこには百三歳の老婆が一人で暮らしていた。気難しいが優しい老婆。男は、老婆と離れてしまってから彼女の「良さ」に気付かされる。
 どの作品も何の変哲もないことを、味わい深く描き出している。
80点
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