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よしなしごとども 書きつくるなり
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ジャック・ケッチャム(扶桑社)

 12歳のデイヴィッドは、隣の家に引っ越してきた少女・メグに、淡い恋心を抱く。メグは、事故で両親を失い、妹とともに伯母のルースに引き取られたのだった。
 あるときデイヴィッドは、ルースがメグを虐待しているのを目撃する。しかもそれは、日を追って激しくなっていった……。

 「これはフィクション」と、呪文のように自分に言い聞かせながら読み進めた。それくらい残酷で容赦がなく、陰湿なストーリーであった。
 (比喩的な意味ではない)吐き気をこらえながらなんとか読了したが、最後までルースの狂気は理解できなかった。その息子たちの行為もまた、しかり。
 加えて傍観者の立場から抜け出せないデイビッドにも、繰り返し失望させられた。彼は、性的好奇心にがんじがらめにされ、それに打ち勝つことができなった。この年頃における少年の悲哀をシンボリックに表しているのであろうか。

 20年以上もの間いろいろな本を読んできたが、この作品は最高に(最悪に?)気分がゆううつになる本であった。
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