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子どもたちのいない世界

フィリップ・クローデル(みすず書房)

 20の小さな物語が収められている。
 『お話、お話』が良かった。
 おじいちゃんが孫たちにお話を聞かせてあげようとする。が、孫たちは何かといちゃもんを付けて、おじいちゃんの出鼻を挫く……。

 やりとりが軽妙で思わず頬がゆるんでしまった。面白い話をねだられて、ウ○チ話を始めたおじいちゃん。下品だとなじられしょんぼりする姿が目に浮かぶようであった。
 説教臭い話や訳が分からない話も中にはあった。が、前述したようなおかしみのある話、ファンタジックで哀愁のある話などもあって、まさに玉石混淆の一冊であった。
65点
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この人はなぜ自分の話ばかりするのか

ジョーエレン・ディミトリアス(ソニーマガジンズ)

 この本の筆者は、陪審員を選定するとき、どの人を選んだらいいのかアドバイスするコンサルタントである。いわゆる「人を見る」プロ。そのせいか納得できる部分が多い。

 安物のティッシュを買う人は他人へのもてなしにお金を使わない人だとか、誰かの悪口を言う時ためらいがちに、さも自分は犠牲者なのよという口調でしゃべる人は、実は相手をコントロールして自分を助けてもらいたいだけだとか。
 読み進めていくうちに心に積もっていく澱がある。本当に親切でおもいやりにあふれる人間なんて、そうそういないという事実である。たぶんそれが現実、なのだろう。
55点

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