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よしなしごとども 書きつくるなり
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トーマス・オーウェン(東京創元社)

 短編集。サブタイトルどおり「十四の不気味な物語」が収められている。『亡霊への憐れみ』が良かった。
 四人の男女が、面白半分に見知らぬ墓を暴いた。死体を目の当たりにした「わたし」は、恐ろしさに震える。そしてその晩、宿で眠る「わたし」の部屋のドアを、何者かがノックした……。

 他の作品もそうなのだが、似たようなストーリーは、もう何度も読んだ気がする。だがスタンダードな、普遍的な恐怖というものがうまく描かれているので、充分楽しむことができた。
 日常が、ふとした瞬間に異常さをはらむ。気付いたときには手遅れになっている。そんな気味の悪さが幻想的に描かれている十四編であった。
80点
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