忍者ブログ
ADMINWRITE
よしなしごとども 書きつくるなり
[958]  [957]  [956]  [955]  [954]  [953]  [952]  [951]  [1032]  [1031]  [950
パオロ・マウレンシグ(草思社)

 「私」は、あるオークションで、名器と呼ばれるバイオリンを落札する。
 ほどなくして、そのバイオリンの元の所有者に会ったことがあるという、小説家の男が訪ねてくる。男の話によると、その所有者というのは、天才的バイオリニストだったという……。

 物語のメインは、天才的バイオリニスト・イエーネによる語りの部分である。
 13歳で入学した音楽学校の、非人道的な厳しさ。ある女流バイオリニストに対する思慕の念。さらには音楽学校で出会った少年・クーノに対する感情。それらがキリキリと締め付けられるような緊迫感を伴って、綿密に描かれている。
 なかでも、貴族としての確固たる後ろ盾があるクーノに対する羨望、あるいは嫉妬は、痛いほど伝わってきた。
 ラストの種明かしは少し分かりづらく、読了したときに「あの人はどうなった?」という疑問も残ったが、ストーリー全体を流れる雰囲気がとても良い作品だった。
80点
PR
この記事にコメントする
お名前
タイトル
文字色
メールアドレス
URL
コメント
パスワード   Vodafone絵文字 i-mode絵文字 Ezweb絵文字
カレンダー
10 2024/11 12
S M T W T F S
1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
カテゴリー
フリーエリア
最新コメント
[10/23 まきまき]
[10/23 もか]
[10/06 まきまき]
[10/06 ぴーの]
[08/31 まきまき]
プロフィール
HN:
まきまき
性別:
女性
バーコード
ブログ内検索
P R
カウンター
アクセス解析

Designed by 湯月   Material by ウタノツバサ
Copyright c [ Back To The Past ] All Rights Reserved.

忍者ブログ [PR]