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よしなしごとども 書きつくるなり
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吉田篤弘(筑摩書房)

 「一角獣」「百鼠」「到来」という、三つの話が収められている。表題作の「百鼠」を紹介しよう。
 主人公はイリヤという朗読鼠。彼らは天上から地上を見下ろし、そこにいる作家に、物語を語って聞かせる。地上で生まれる三人称の小説のすべては、はるか昔ゲーテの時代から<百鼠>の中の、朗読鼠が読んできたのであった……。

 捉えどころのないストーリーであった。天楼F棟にあるという朗読室。物語の骨組みを決めるという<読心坊>。一人称小説が手に入る闇本市場。筆者が作り出したそれらの世界を、私もイメージしようと努めたが、どうもうまくいかなかった。
 イリヤが数分だけ過ごした地上……新宿御苑の緑だけが、生々しく私の心にも映し出された。
 こういう想像力を必要とする不思議話は、川上弘美氏の作品もそうなのだが、疲れる。
70点
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