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よしなしごとども 書きつくるなり
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吉田修一(文藝春秋社)

 大工の大輔は真美と、その子供の小麦と同棲していた。そのマンションには、大輔の義理の弟・光男も同居していた。仕事もせずに、日がな一日熱帯魚ばかり見ている光男。やがて彼は大輔の金を持ち逃げしてしまう。

 イマドキの若者を描いた小説はたくさんあるが、上滑りしていたり、現実感に乏しかったりするものが多い気がする。でもこの作品は、違う。若さゆえの衝動的な行動を、生々しく描き出している。
 百円ライターが、ある時はバケツに沈み、ある時は母親の手から渡され、最後にプールに沈む。誰にでも容易に想像できる「景色」の組み込み方がうまいと思った。
80点
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