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よしなしごとども 書きつくるなり
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横山秀夫(集英社)

 短編集。
 表題作の『第三の時効』が良かった。
 15年前に起きた暴行殺人事件が時効を迎えようとしていた。が、犯人が海外に渡航した事実があり、その日数の7日間時効は延長された。刑事たちは犯人の誤認に期待して彼からの連絡を待つが……。

 事件の真相の意外性もさることながら、刑事たちの本音のぶつかりあいが読ませる。冷血漢の楠見と情にほだされる森。二人の対比が鮮烈な印象を残した。
 他に『密室の抜け穴』も良かった。犯人逮捕のシーンは緊迫感があり、胸が高鳴った。
90点
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