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よしなしごとども 書きつくるなり
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森見登美彦(祥伝社)

 『走れメロス』他四編が収められた短編集。

 『藪の中』が一番良かった。芥川龍之介の作品を、現代ふうにアレンジしたもの。
 筆者いわく、原典の「木に縛り付けられて傍観するしかなかった夫の苦悩」に惹かれたのだそうだ。
 「夫」は、森見版でいうと「鵜山」にあたると思われるが、彼は苦悩するどころか、傍観者という立場をむしろ楽しんでいる。燃えるような嫉妬心に身をゆだね、自虐的なふるまいでもって自分の存在を確認していくのが彼流なのだ。
 原典の、切った張ったの激しさこそないものの、恋愛感情の中に潜む残酷性をうまく捉えた作品であると思った。
70点
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