村上春樹(新潮社)
「青豆」と「天吾」の物語が交互に語られる。
スポーツ・クラブのインストラクターである青豆。彼女は殺し屋でもあった。DVの加害者をあの世へ送り込むこと、それが彼女の裏の仕事。
天吾は予備校の講師。文筆の仕事も少し。あるとき新人賞に応募してきた「ふかえり」という女性の原稿の書き直しを依頼される。それは荒削りだが人を惹き付ける何かを持った不思議な原稿だった……。
数々の村上氏の作品を読んできたが、今回初めて「くどい」と思った。文章の繰り返しが多すぎる。力説したいのは分かるが、そこは敢えてさらりと書いて欲しかった。読む側の「ここが肝かな?」という発見の楽しみを残しておいて欲しかった。
幻想的な部分があったり、かと思えば非常に生々しい性描写があったり、NHKの集金の話から宗教団体の話まで……その振り幅の大きさにしばしば戸惑った。それら散りばめられたパーツは、やがては収束していった。が、(意図的に?)取りこぼした部分もあり、その不明瞭さが作品全体の印象を損なう結果となっている。
70点
「青豆」と「天吾」の物語が交互に語られる。
スポーツ・クラブのインストラクターである青豆。彼女は殺し屋でもあった。DVの加害者をあの世へ送り込むこと、それが彼女の裏の仕事。
天吾は予備校の講師。文筆の仕事も少し。あるとき新人賞に応募してきた「ふかえり」という女性の原稿の書き直しを依頼される。それは荒削りだが人を惹き付ける何かを持った不思議な原稿だった……。
数々の村上氏の作品を読んできたが、今回初めて「くどい」と思った。文章の繰り返しが多すぎる。力説したいのは分かるが、そこは敢えてさらりと書いて欲しかった。読む側の「ここが肝かな?」という発見の楽しみを残しておいて欲しかった。
幻想的な部分があったり、かと思えば非常に生々しい性描写があったり、NHKの集金の話から宗教団体の話まで……その振り幅の大きさにしばしば戸惑った。それら散りばめられたパーツは、やがては収束していった。が、(意図的に?)取りこぼした部分もあり、その不明瞭さが作品全体の印象を損なう結果となっている。
70点
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