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ダックスフントのワープ

藤原伊織(文藝春秋社)

 四つの作品が収められている。
 表題作『ダックスフントのワープ』。
 大学生である「僕」は、十歳になるマリの家庭教師を引き受けることになる。といっても勉強を教えるわけではなく、作り話をしゃべるだけ。「僕」はダックスフントの冒険譚を彼女に語ってきかせるが……。

 解説にもあったが、村上春樹の作風にかなり似ていると私も思った。シニカルで気取った雰囲気の主人公のセリフが特に。それから本編に負けるとも劣らない面白さを持つ挿話も。
 まぁそんな比較はどうでも良いのだが。

 「僕」というのは、何てタチの悪い人間なのだろう。訳知り顔で物事を分析し、そのうえいつも傍観者でいようとする。まったくいけ好かない。
 ラストの後味の悪さもまた格別だ。許されざる未必の故意だと思った。
75点
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