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よしなしごとども 書きつくるなり
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小川洋子(角川書店)

 短編集。
 『森の奥で燃えるもの』が気に入った。
 「収容所」にやってきた「僕」は、アパートの一室で暮らし始める。美術館での仕事も決まり、登録係の女の子とも親しくなれた。だが「僕」には気になることがあった。ここには時間を指し示すものが一切存在しないのだ……。

 これは、いわゆる「あの世」の話であろうか。時間というものが無く、主人公が永遠を手に入れたと説明されているあたりが、いかにもそんなふうだ。
 この世とあまり変わりがないようなあの世。だが、収容所という言葉の禍々しい響きや、暖炉の炎が青白いという、視覚的な不気味さが、やはり「死」をイメージさせもする。
 他の作品もみな静かな、それでいて抜き差しならぬ恐怖を湛えていて、ぞっとさせられた。
75点
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