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よしなしごとども 書きつくるなり
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貫井徳郎(東京創元社)

 幼い子を狙った誘拐事件が続発するが、警察の捜査は膠着状態に陥る。捜査一課長である佐伯は、自身のスキャンダルも暴露されて、窮地に立たされる。
 同時進行で、ひとりの男が怪しげな新興宗教にのめり込んでゆく様も描き出される。一見、何の関係もなさそうな二つのストーリーは、やがて絡み合って……。

 犯人の正体の意外性たるや、アガサ・クリスティの作品群に匹敵する勢いであった。ここまで見事に騙されたら、むしろ小気味良い。
 そして犯人の動機が分かった瞬間、物語全体が違った色彩を帯びて見えてくる。
 途轍もなくやるせない、哀しい物語であった。
95点
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沼田まほかる(新潮社)

 八年前に離婚した佐知子は、高校生の息子と二人で暮らしていた。その息子がある日失踪してしまう。必死に行方を捜す佐知子だったが、ほどなくして彼女の愛人が事故死する。二つの出来事はどうやら無関係ではないらしい。深まる謎の中で佐知子の焦燥は募ってゆくのだが……。

 佐知子がときに突拍子もない言動にでるので、そのへんがちょっと白けた。が、テンポ良く進むストーリーと次々と明かされる驚愕の真実に、ほとんど一気読みしてしまった。
 難点は佐知子の別れた夫の後妻の描き方、であろうか。男を狂わせる魔性の女だということは理解したが、ここまで卑猥な描写が果たして必要だったのだろうか。
80点
野沢尚(講談社)

 瑤子はテレビ局で働く、腕の良い映像編集者だった。
 あるとき、見ず知らずの男性から一本のビデオテープを手渡される。そこには郵政省の官僚が、ある殺人事件に関わっているかのような映像があった。
 瑤子は作為的にそのビデオを編集し、電波に乗せてしまう。彼女の恐怖はそこから始まった……。

 読んでいる間中、瑤子の我の強さに辟易した。彼女はいつも孤軍奮闘しているように描かれているが、それはそうなるべくしてなっているだけで、同情の余地も無い。
 ラストも救いがなく、後味の悪い作品だった。
55点
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