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慟哭

貫井徳郎(東京創元社)

 幼い子を狙った誘拐事件が続発するが、警察の捜査は膠着状態に陥る。捜査一課長である佐伯は、自身のスキャンダルも暴露されて、窮地に立たされる。
 同時進行で、ひとりの男が怪しげな新興宗教にのめり込んでゆく様も描き出される。一見、何の関係もなさそうな二つのストーリーは、やがて絡み合って……。

 犯人の正体の意外性たるや、アガサ・クリスティの作品群に匹敵する勢いであった。ここまで見事に騙されたら、むしろ小気味良い。
 そして犯人の動機が分かった瞬間、物語全体が違った色彩を帯びて見えてくる。
 途轍もなくやるせない、哀しい物語であった。
95点
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