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自分の「異常性」に気づかない人たち

西多昌規(草思社)

精神科医である筆者が出会った患者たち。
隣家の人が毎日カレーを作って匂いで嫌がらせをするという50代女性。
書類の数字を一度間違えただけなのに、眠れないほどの不安を覚えるキャリア官僚の男性。
自慢話と苦情が止まらない、サイコパス気質の男性。などなど。

多種多様な病態を読んでいくと、自分の身近にいる人にも当てはまることがあったりして、ぞっとした。
そのあたりを筆者も考えたのか、「この人を異常と判断していいのだろうか」と悩んだ例も挙げている。

それから興味深かったのは、医師も人の子、ということである。
ねちねちと嫌味を言うような患者には「私の胸は怒りで熱くなってきた。一刻も早くこの面接を切り上げたい」と思ったそうだし、面倒な患者を医師同士で押し付けあったりもする。
病院をサービス業扱いして傍若無人にふるまう人もいるようだが、それで医療の質に差が出てはいけないのだが、相手も感情を持ったひとりの人間だということを忘れてはならないと、今さらながら思った。
80点

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