嶽本野ばら(小学館)
実在するカフェーを舞台に「僕」と「君」が織り成す、短い物語の数々。
青臭い小説、と切って捨てるのは簡単だが、そうさせない真摯さがこの作品集にはある。時流に乗ったり、客に媚びたりせずに、己のスタンスで存在し続けるカフェー。それは物語に登場する「僕」や「君」にとてもよく似ている。
12の短編の中で、私が特に気に入ったのは「品性のある制服と、品性のある歯車」。その中の一節が、心に残った。
『品性を打ち捨ててまで、手に入れなければならないものなぞ、この世に存在するものですか』。
品性。今どき、捨て去ってしまった、否、最初から持ち合わせていない人のほうが多い気がする。
75点
実在するカフェーを舞台に「僕」と「君」が織り成す、短い物語の数々。
青臭い小説、と切って捨てるのは簡単だが、そうさせない真摯さがこの作品集にはある。時流に乗ったり、客に媚びたりせずに、己のスタンスで存在し続けるカフェー。それは物語に登場する「僕」や「君」にとてもよく似ている。
12の短編の中で、私が特に気に入ったのは「品性のある制服と、品性のある歯車」。その中の一節が、心に残った。
『品性を打ち捨ててまで、手に入れなければならないものなぞ、この世に存在するものですか』。
品性。今どき、捨て去ってしまった、否、最初から持ち合わせていない人のほうが多い気がする。
75点
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