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そうか、もう君はいないのか

城山三郎(新潮社)

 妻を喪った夫・城山氏が、彼女との出会いから別れまでを綴った手記。
 城山氏といえば、お堅い経済小説のイメージがあるが、この本を読んでそれががらりと変わった。奥様のことが心底好きでいとおしく思う、優しい男性だったのだ。

 まず出会いのシーンが圧巻。とある図書館の前で、偶然出会う二人。「間違って、天から妖精が落ちて来た感じ」。一度でいいから、男性にこんなふうに思われてみたいものである。
 結婚後も、茶目っ気のある奥様に幾度と無く救われる城山氏。女は愛嬌とはよく言ったものだ。
 そして悲しい別れ。彼の憔悴しきった姿は、「父が遺してくれたもの」という、巻末の次女の手記で明らかになるのだが、それがまた涙を誘う。
 夫にここまで愛される妻、羨ましくもあり、自分とギャップがありすぎて不思議な感じも、正直した。
85点
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