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よしなしごとども 書きつくるなり
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殊能将之(講談社)

 若い女性が次々に殺される。死体の喉にはハサミが突き刺さっていたため、犯人は「ハサミ男」と呼ばれるようになる。そして彼が三人目の犠牲者を決めたところから物語は始まる。
 犯人の目から語られる部分が多く、そこがリアルで不気味。
 話は逸れるが、私が妙に納得したのはピンクハウス禁止条例のくだり。ごく一部の人だけど、全身ピンクハウスの勘違いおばさんって確かにいる。何かが捨てられない女性なんだろうなぁ。いや、何かを捨ててる女性か?

 閑話休題。
 ラスト近くのどんでん返し、恐れ入りました。え? これって誰のセリフ? ということは、このハサミ男って……。読んだ本はめったに読み返さない私が、読み終わって即、再読。そのくらい衝撃的なラスト。
 ただ残念だったのは、時々出てくる場違いな比喩。ちょっと興醒め。降ってくる雪をさして、踊る天使からこぼれ落ちた羽毛って……あり?
85点
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